ぼくの美しい妻
行き交う車のナンバープレートを見るのが好きです 今週末は連休で高速は案の定の混み具合 そう、だから見放題でした
何を楽しみに見ているのかと言いますと、そこに表記されている地名です 遠いほど得したような、こちらまで便乗旅気分で上がります
ちなみに今日の一番遠方さんは、いわきナンバーでした 福島県
堺、大阪、和泉と謎の圧倒的大阪勢に押されながらも、一台いました品川ナンバー
品川ナンバーとすれ違い、すぐさまこれに追随する記憶がありました 中学生時代の担任教師の車です
先生の車が品川ナンバーでした 東京って東京ナンバーじゃないこともその時同時に知りました
先生の授業の記憶は正直ほぼありませんが、勉強合間に出てくる小話の数々 それらがいつもわたくしにとっては新しい世界で、妙に心に残っています
その中のひとつが「僕の美しい妻」シリーズでした 彼が大学生時代に出会って一目惚れし、若くて結婚した奥さんのお話しです
毎回話の頭は、「僕の美しい妻がね」から始まります 教育学部出身ではない先生が回り道をして教員免許を取得したのも、彼女との安定した生活を目指し、結婚を許してもらうためだったそうです
そうして教師になった先生が今わたくしたちの目の前にいて、毎回あらゆる興味深い小話をしてくれて
その小話に導かれるように、わたくしはカルエちゃんとその後出会うことになる大学に行くことを決めました 先生の出身大学だったからです
不思議なもんです
もし「僕の美しい妻」がいなかったら、先生は教師にならず、わたくしの前にも現れず、わたくしはカルエちゃんと出会うことはなかったのでしょう
ぼくのうつくしい妻 会ったことはないけれど、ありがとう
今日品川ナンバーとすれ違った時、延々と確かに繋がっている見えない糸のことを思いました
ナタコ