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呼吸

3日経っても変わらず雨は
同じ強さのままでいた
どうしてか不安が募る
晴れが3日続いても
不安など抱かないのに

雨季はそんなもんさ
それが呼吸なんだ
牛を撫でながら酪農婦は笑う

川縁かわべりの痩せた木を頼って
雨を真にうけていた私に
ついて来な、と言ったときと同じく
澱みや迷いがなかった

見えないままでいる月の満ち欠けにも
疑うこともしないで
今夜あたりだね、と言ったその夜遅くに
仔牛を取り上げた

酪農婦は2人の男の子と
抱き合って喜び
傍らで主は満足そうに
黙って葡萄酒を飲みこんだ

母牛のために藁を変えてやると
両の目頭から涙をこぼしている
ように見えた

翌朝、雨は止み
多くの牛は放牧に出かけて
厩舎は静かであった




ノマドシリーズ

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りよう
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