【今日の一冊】正しいエネルギーの使い方/梶井基次郎『檸檬』
小中高、国語の授業では数えきれない作品を読むんですが、その中で記憶に残っているものは、数えるほどかもしれません。
そんな記憶に残る作品、皆さんにもありますか?
私にはあります。
私にとって思い出の教科書作品、それは梶井基次郎の『檸檬』です。
そんな『檸檬』の主人公から、人が持つエネルギーについて考えてみます。
あらすじ
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主人公は、京都の大学生。
(著者をモデルにしているという説もあるとか)
友人の下宿を転々とするような、金のない生活。
しかも、肺尖カタルを患っており、あまり体調も良くない。
友人が学校へ出かけたあと、主人公も彷徨い出なければならず、近所をうろうろとしていた。
そんな時、果物屋さんで珍しく檸檬を見つける。
レモンイエローの絵具を絞り出したような黄色に魅せられた主人公は、丸善に入った後、檸檬を取り出し本を積み上げた頂上にそっと置く。
その様子に満足した主人公は、「檸檬が爆発したらどんなに面白いだろう」と想像し、店を出るのであった。
何とも言い得ぬ主人公の気持ち
と、ここまであらすじを読んだほとんどの方が「なんちゅう話?」と思いますよね。
私が注目したいのは、冒頭の文章です。
当時高校生だった私は、この「どこにぶつければ良いか分からない鬱々とした気持ち」に深く共感してしまいました。
一言でいうと「不安」「焦り」といった負のエネルギーですが、大人と子供の間で揺れ動く気持ちと、主人公の気持ちがやけにリンクした記憶があります。
私は大人になってからも、この不安な気持ちを抱えて生きてきました。
そして、それが「他人軸で生きていた」からだと気づくのはかなり先、という事実も、高校生の私が聞いたら、衝撃を受けることでしょう。
岡本太郎先生みたいになりたい
私は、岡本太郎先生が大好きです。
一瞬、何者か分からない先生の作品ですが、なぜか見る人を元気にするエネルギーで溢れているんですよね。
先生の有名な言葉に「芸術は爆発だ」というものがあります。
正常な判断能力をほぼ失った結果、丸善に檸檬を置いて帰る精神状態ギリギリの主人公も、最後に檸檬が爆発する想像をして、ほくそ笑んでいるんです。(言い方よ)
爆発ってあまり良いイメージがないんですが、岡本太郎先生のように、人々を元気づけるようなエネルギーの爆発を起こしてみたい、とある時から私は考えるようになりました。
自分が望む方向にエネルギーを使うためには
私は一人の人間として、自分の能力や行動が誰かのためになるように生きていきたい、と思っています。
ですが、高校生の私は、檸檬の主人公のように鬱々としていました。
良い成績を取れと言われ、言われるがままに必死に勉強し、疲弊する毎日。
少しでも皆と違うことすると、叩かれたり、出る杭を打たれたり。
成績は良かったかもしれないけれど、学校でも会社でもみんなと同じことができない私は、役立たずで無能だと思っていました。
ですがある時、人には「外向型」と「内向型」がいるということを知ります。
陽キャと陰キャ、と言い換えられるかもしれません。
調べてみると、「外向型」は人と関わるのが好きで、それによって力を発揮する。
一方「内向型」は、人と関わることは苦手で、一人でじっくり考え静かな環境で力を発揮する。
私はどう考えても「内向型」でした。
なんてったって、休み時間ずっと図書室にいる子どもでしたから。
そして一番私を勇気づけたのは、「内向型でも強みを発揮できる仕事はあるし、環境も作れる」ということでした。
それが実現できたら、私は自分が望むエネルギーの爆発ができるかもしれない…!
私はまた一つ、自分という人間を知ることができました。
今の私の目標は、「自分のワクワクすることでスケジュール表を埋める」ことです。
もう我慢せず自分のやりたいことに一直線になっていくぞ。
~Andyの自分を知る旅 つづく~
おわりに
私は、いい意味でぶっ飛んでる人になりたいです。
同調勢力に押しつぶされそうになる世の中だからこそ、自分の信念を大事に抱えて生きていきたいのです。
ものすごく元気をくれるけど作品に若干の不気味さを感じる芸術家の先生も、金欠病気持ちの京都の大学生も、実は、持ってるエネルギーは表裏一体なのかもしれません。
(ちなみに私のノートパソコンには、ど真ん中に岡本太郎先生のシールがデカデカと貼ってあります)
心と体を健やかに、いつまでも自分に素直に生きることを目標に、今日も自分の人生を歩みたいもんです。
それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
またお会いしましょう!
<おまけ:内向型に関する書籍>
皆さんもぜひ読んでみてください!
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