ジブリの世界観のシーフードレストラン。心を揺さぶられた店員さんのお声がけ。
前回は日本のサービス業のレベルが高いよね〜
ってお話を紹介しました。
つい先日、同じように気持ちいいサービスを受けることができました。
この『気持ちいい!』と感じるに至った体験を振り返り、おもてなしについて考えてみます。
まさにジブリの世界じゃん!
先日、私の誕生日を迎えた日のこと。
ディナーに行こう!と妻が誘ってくれました。
以前から気になっていたという、松江市の街中にあるシーフードバー「4guts(クワトロガッツ)」へ。
街を歩いていて、突如あらわれる異様な世界観。
「紅の豚」や「ハウルの動く城」といったスタジオジブリの映画の世界に迷い込んだような気分になります。
店内の雰囲気も。
テーブル席の内装も世界観がしっかり出ていて、気分は上々!
シーフード、特にロブスターやシュリンプや、シードルにこだわったレストランバーということで、早速エビのお料理とシードルを注文してみました。
見た目はもちろんですが、味ももちろん抜群においしい。
お料理一品一品に、店の雰囲気がいいスパイスとなって僕たちの胃袋をがっつりと掴んでくれます。
メインは何にしようか?
箸が進み、いよいよメインを選ぶタイミングに。
パスタが食べたいよね、と意見が一致。
私は正直パスタならなんでもいいと思っていたので、妻に食べたいものを選んでもらうことにしました。
メニューを見ると、パスタが4種類。
それだけではなく、店内に手書きで3種類のパスタメニューが書かれてあります。
普段から注文を選ぶときには時間をかけてじっくり悩むタイプの妻。
悩む。
とにかく悩む。
7種類のパスタの名前から一品一品イメージを膨らませている様子。
そのときです。
若いスタッフ(お兄さん)がささっと、席に近づいてきて、爽やかな笑顔でこう切り出しました。
「パスタでお悩みですか?
気分的にコッテリ系とサッパリ系、どちらがお好みですか?」
思わず僕たちは目を合わせて、
「サッパリだよね〜」
と思わず声を合わせました。
すると、お兄さんはすかさず
「こちらがおすすめです!」
と選んでくれたのが…
イカと長ネギのペペロンチーノ風のパスタ。
クリーム系のパスタと違い、あっさりとしていて、ぺろりと平らげることができました。
ぷっくりと膨れたお腹を眺めがら、ふと思いました。
店に入る時から、このパスタを食べ終わるまでの約1時間。
なんだかとってもスムーズで、気持ちのいいお誕生日ディナーだなぁ。
それもこれも、先程のお兄さんのお声がけが絶妙だったからではないだろうか?
絶妙な言葉のチョイスとタイミング
パスタメニューを選ぶ際、僕ら(特に妻)は何を食べるのか、メニューが多すぎて悩んでいました。
そこにお兄さんは、
こってりか?さっぱりか?
と、僕らのニーズを確認してくれました。
このニーズとは、言葉にするまでは潜在的なものであまり意識に上がってきていません。
目の前の7種類のパスタを並列に並べて、どれも良さそう…と悩んでいる状態。
そこから改めて
(どんなものを食べたい気分か?)
に意識を絞ってくれました。
どんなお声がけをするか、絶妙な言葉のチョイスが背中を押してくれたような気がします。
また、タイミングもばっちりでした。
もし、おにいさんの問いかけが少し早かったらどうでしょう?
「まだどんなメニューがあるかわからないから、もうちょっと考えさせてよ。」
と間の悪さを感じたかもしれません。
7種類のパスタメニューがあることがわかり、それぞれをイメージしながらどれにしようか、と悩み始めたタイミングの声がけでした。
無意識なままのニーズを掘り起こす、タイミングのいいお声がけ。
これが、今回心を揺さぶられた理由だったのでしょう。
お客様をしっかり観察する大切さ
私は服を買いに行く時などに、このことを強く意識することがあります。
特に買う目的もなく、なんとなく店に入ったときに、
「どういったものをお探しですか?」
と聞かれると、気持ちがげんなりします。
別に買いたいものがあるわけでなく、ただ見てるだけなのに…
そんな時はまた声かけられるのが嫌なので、無意識のうちに店を離れてしまいます。
店員さんからしたら、接客をしているつもりでしょう。
しかし、相手の状況を顧みず、間の悪いタイミングでのお声がけが逆効果になっている。
以前、こちらの記事でも「お客様に意識を向ける」ことについて紹介しました。
やはり、サービスをする上で、お客様の状況をよく観察することは大切だなぁ、と改めて思いました。
以上、本日は気持ちいい接客を受けた経験から、絶妙なお客様へのお声がけについて綴ってみました。
おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。