組織サーベイについて考える
何かを始めるにあたって、現状を把握することはとても大事だと思っています。例えば組織について課題を感じている場合、メンバーに対してサーベイを実施したい、となることは良くあるのではないでしょうか。今回は自身がサーベイを実施した際に実際に気を付けたことについて書いてみようと思います。
目的の明確化
サーベイを実施するにあって、サーベイの目的を明確化しましょう。また、サーベイ実施者は誰のためにサーベイを実施するのかを意識すると良いと思います。個人的にはサーベイとはサーベイの対象となる方々の利益のために行うものであり、サーベイ実施者の情報収集が主目的ではないという点を意識しています。
心理的安全性を担保する
サーベイにおいても、心理的安全性が担保されていることが大事だと考えています。サーベイに回答することで不利益が発生する懸念があるようでは率直な回答が得られず、状況を正しく把握することは難しいと思います。匿名なのか、記名なのか、匿名の場合はどの様にして匿名性を担保しているのか(例えば、組織やチームのみ記載をお願いする場合など、人数の少ないチームなどは個人が特定できる場合があり配慮が必要です)。また、サーベイの結果が目的以外に利用されないこと、特に評価に対して関連しないことを徹底することが重要だと思います。
負担を減らす
サーベイを実施するにあたり、質問の回答を選択式にしたり、どういった意図を持った質問なのかを明確にするなど、回答者の負担を減らす工夫をしましょう。また、同一サーベイを定期的に行う場合は、サーベイの結果が短いスパンで大きく変わることはあまりないと思いますので、実施の頻度にも注意しましょう。
共有とアクション
サーベイを実施したら、必ず結果の共有と結果を踏まえたアクションの設定を明示的に行いましょう。これらを怠ると回答しても意味がないと据えられてしまい、今後のサーベイへの協力が十分に得られなくなるだけでなく、メンバーの不満や不信感につながってしまいます。
結果の活用
サーベイ実施後は結果からアクションを設定し実行していくことになると思いますが、悪い結果が出たとしても、現状を否定しないことに注意しましょう。
サーベイは粗探しや責任を追求することが目的ではなく、現状を知ること、そしてこれを基準として、今後の取り組みにより起こるであろう変化を可視化することが肝要です。また、良くなった、悪くなったといった結果も重要ですが、何故そういった変化が起こったのかに着目することもとても大事だと思っています。
あくまでもサーベイの結果は数ある情報の一つですので、これだけで物事を判断しないことや、一部の声に過剰に反応したり、逆にマイノリティな意見だからと意味のある意見を軽視しないことも意識しておくと良いと思います。
サーベイに対する姿勢
率直な回答が得られる環境があれば、想像しないような結果や、批判的な意見が出ることも沢山あります。しかし、率直な意見に感謝し、結果を真摯に受け止める姿勢がなければサーベイの有効性は大きく下がってしまうと思います。
自身でサーベイを実施するにあたっては、事前に説明会を行い、目的の明確化と懸念点の払拭、結果とアクションの共有を約束しました。また、サーベイ実施の都度、結果をデータとして共有するだけでなく、全体に対して資料にまとめて説明を行い、よりサーベイを行うことに納得感を持ってもらうことを意識しました。
最後に
現状把握無しに改善はなく、課題は設定されなければ解決されません。本投稿が皆さんのサーベイ実施の際に少しでも助けになれば幸いです。