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#2 夏の庭ーThe Friends

前回の1冊目からだいぶ間が空いてしまいました。

この夏の暑さは私にとって全てのやる気を奪う暑さで、
何をするにも「それっ」と気合いを入れないと動けない日々。
エアコンの部屋で読書に励もうと、勤め先の小学校の図書館で夏休み前に子ども達と一緒に選んだ1冊が湯本香樹実さんの「夏の庭ーThe  Friends」でした。

3人の小学生が、生きることを諦めてしまったようなお爺さんと出会い、交流を通じて成長していく物語。印象に残ったところはこちら。

もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。歳をとればとるほど、思い出は増えるのだから。そしていつかその持ち主があとかたもなく消えてしまっても、思い出は空気の中に漂い、雨に溶け、土に染み込んで生き続けるとしたら...いろんなところを漂いながら、また別のだれかの心に、ちょっとしのびこんでみるかもしれない。
時々、初めての場所なのに、なぜか来たことがあると感じたりするのは、遠い昔のだれかの思い出のいたずらなのだ。

P162より

お爺さんとの日々の中で、人が生きること死ぬことを肌で感じていく少年たち。
別れの時はあまりにも突然で心が痛くなりました。それでもその別れも彼らの新しい一歩への力になるのです。久しぶりに子どもの頃の気持ちを思い出すことができた一冊。
そして子どもの頃にはわからなかったお爺さんの気持ちも少しだけわかるようになった私。様々な世代の方におすすめの1冊です。

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