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まったくの素人が彫塑(ちょうそ)で藤井風フィギュアに挑戦する<第16回>


「なぁ~、ワシらの髪の毛、いつになったら生やしてもらえると思う?」

「なーんか、必死で毛束大量に作り続けてるみたいじゃな…」

「しかしな…3人分ちゃんと足りるんじゃろか…」

そんなヒソヒソ話を交わしていそうな3体。練習用頭部2体とボデイに接合した1体が、毛束の植毛を待ちわびています(笑)


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丸坊主なのでスケキヨ風だったが、顔を描くと「西遊記」の三蔵法師っぽい


ひたすら大量に毛束を作り続ける日々


先週からボディや頭部の仕上げと並行して、毛束作りを続けています。20センチほどに小分けしたものを、さらに3~5センチに切り分けていきます。

切り分けた毛束は毛先がまっすぐにそろっています。毛先にはさみでシャギーを入れ、ギザギザにしてふぞろいに。毛量が多い風さんの髪形を再現するのには大量の毛束が必要です。


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大量の毛束 頭部一体でこれを約3セット使用予定


練習用頭部で植毛を始める


義母が毛束の貼り方の見本を作ってくれました。生え際にはガイドラインになる極細のマスキングテープを貼り、後頭部から頭頂部へかけて、下から上へ毛束を貼っていきます。

生え際が自然な感じになるよう、髪の生え癖を考えながら植えていくのがポイントだそう。

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義母に見本で貼ってもらった練習用頭部

頭頂部は目につきやすい部分。髪の分け目が美しく見えるよう、互い違いに植えていきます。最終仕上げの際には、頭頂部に穴を開けウィッグのように作った毛束をかぶせて植え込み、接着する予定です。

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後頭部は首の上から面積の3分の1ほど貼ったら、あとの3分の1は頭皮にベタ貼り。残りの上部3分の1は立体的に植毛していく。


ガイドラインを描いてもらった頭部見本を見ながら、もう一体の練習用頭部に毛束を植えていきます。こちらは耳がありませんが、ウェーブヘアを植えてしまえば、耳が目立たないのでそのままにしています。


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襟足→後頭部→耳の後ろ→もみあげ→こめかみ→頭頂部の順に植毛する


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毛束は後頭部や側頭部はワンカール 前頭部や頭頂部、前髪はくるくるウェーブ

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極細のヘアアイロン(こて)を使い、毛束をカール 鉛筆と同じくらいの太さのウェーブに仕上がる


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もみあげ辺りからは、ウェーブにした毛束を少しずつ貼る


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植毛作業、まだまだ頭頂部までたどり着かず 少々ザビエル風


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頭頂部が寂しいので小分け前の毛束を乗せて撮影

想像以上の手間暇がかかるが、植毛作業は楽しい


「丸坊主でもハンサムだけど、少しだけでも髪の毛が生えてきたら、やっぱりきれいな顔だわ」

「まだ実物よりもロン毛なので、女の子みたいでかわいいですよね」

「顔の印象は髪形次第で、ずいぶんと雰囲気が変わるからね」

「それにしても毛先をカールしたり、毛束をくるくるウェーブにして貼っていくのは顔や手と同じように結構、時間と手間が掛かるんですね」

「髪はいろいろ方法があるけど、人間の髪の生え方に忠実に作ろうと思うと時間はかかるけれど、このやり方が一番、違和感がないんじゃないかな」

「なるほど。たしかに生え際まで人間らしく作り込むには、細かい工夫とテクニックが必要ですね」

「髪の毛は適当に貼ったり植えたりしてしまうと、何だか安物のウィッグかぶせてるみたいに見えるのよね!」

「わ、それは困ります!風さん(フィギュア)、カツラ疑惑(笑)になっちゃいます」


子どものころは人形遊びが苦手でまったくしなかったわたし。あれは不自然な髪の生え方や、曲がるはずのない方向にまがってしまう手足など、”人間に似ているのに部分的に人間とは異なるパーツ”に違和感を覚えていたのかも知れません。3体の風さんは、まだしばらくの間、「ワシらの髪の毛、ちゃんと生やしてや…」と見つめてきそうです(笑)




これから定期的に”藤井風フィギュア”が完成するまでの記録を綴ります。これまでの記録はこちら。



藤井風さんのこと、いろいろ書いてます。


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