藤井風の弾き語りであの曲を!ピアノ弾きが独断と偏見で選ぶ 洋楽カバー
あの洋楽を藤井風がピアノで弾き語りしたら、きっとステキに違いない。
そう思える曲をセレクトしてみました。
ちなみに選んだ曲は、自分でもピアノアレンジをして演奏したり、歌ったりしています。ただ、わたしはキーが高く、男性ヴォーカルだと低音部がうまく歌えません。
「この曲、風さんも好きそうだな。風さんなら、どうアレンジするかな?弾き語りを聴いてみたいな」
と感じた曲たちを厳選。
キーや調性はもちろん、風さん最大の持ち味である”ピアノ弾き語りで映える”曲かどうかも吟味しました。
①スウィング・アウト・シスター 「Now You’re Not Here(あなたにいてほしい)」
東京放送(現・TBSテレビ)のテレビドラマ『真昼の月』の主題歌用に書き下ろされた「Now You’re Not Here」(あなたにいてほしい)。ドラマとともに大ヒットしました。
この曲は藤井風さんの「帰ろう」や「きらり」、「青春病」を聴いていて、ふと思い出しました。美しいピアノが印象的なイントロはもちろん、自然な転調を繰り返すコード進行、そして浮遊感が、めちゃくちゃ風さんぽい。
もちろんサビのコード進行は、半音ずつ下降するパターン(クリシェ)。
これは「帰ろう」「青春病」「きらり」でも頻出します。なので風さんも好きな…はず?!です(笑)
②ワム!「クラブトロピカーナ」
のちにソロ活動をしたジョージ・マイケルもまた、艶のある歌声と類まれな歌唱力の持ち主。夏のバカンスを過ごすバブリー(笑)な若者たちを歌ったこの曲。アップテンポでワクワクするような、底抜けに明るい歌です。
でも、実のところ冒頭からラストまで「COOL」と繰り返されるコーラスに注目。
「(お祭り騒ぎもいいけれど)頭を冷やしてみようよ」と言っているという…。よくよく聴き込んでみると、消費快楽主義に批判の目を向けている曲でもあるのです。これって風さんの「特にない」的。
「ください くださいばっか~で(はやめましょう)」思想に通じるものがあると思うのですが。
で、そこをあえてのバラードアレンジです。
まずはコード進行をリハーモナイズします。実はこの曲、スローなジャズアレンジで弾いてみてもカッコいいのです。
風さんの「Shake It Off(JAZZ cover)」を思い出してみてください。アップテンポな曲でも、ガラリと印象を変えてしまう。しかも違和感なくアレンジしてしまうのが、風さんのすごいところです。
「HEHC」ではプロのミキシングにより、さらにバージョンアップしています
サビのコード進行は、またもや半音ずつ下降するパターン。風さんには「COOL~COOL~」のコーラスパートも、「Shake It Off」のように、しっとりと歌ってほしいです。
そして、何と言っても間奏のピアノソロがブルージー。風さんにバシッ!と決めて弾いてほしいな。
③ジョニー・ギル 「My,My,My」
ニュー・ジャック・スウィング全盛期の名曲ですね。ジョニー・ギルがソウルフルに歌う珠玉のバラード。ジャム&ルイスプロデュースのアーティストは、数多くいたけれど、その中でもジョニーは、ファルセットと低音ヴォイスが印象的でした。
「My,My,My」は’80-90年代に大ブレイクしたベイビーフェイスが作曲しています。最近では、ブルーノ・マーズの「Too Good To Say Goodbye」を共作するなど、ベテランプロデューサーとしても現役活躍中。
ソプラノサックスと、エレピの音で始まるイントロも美しい。風さん、サックスも自分で吹けそうです。
何度も「My,My,My,~素敵な夜にするよ」とささやいては、シャウトする熱い愛の歌。
この熱烈な歌詞を風さんに歌わせたら…老若男女が溶解しますね、きっと。
④ブルーノ・マーズ 「That's What I Like」
この曲は過去にライブで弾き語りしていたようです。
ご本人のtwitterに、一部分が上がっていました。
ブルーノ・マーズはジャム&ルイスを聴いていた世代には、懐かしくも新鮮なアーティストでは。彼の歌唱力とダンスの上手さは折り紙付き。R&B好きには、たまらないコード進行とリズムトラックのカッコ良さよ!いつか正式にカバーしてほしいな。
⑤MAX「Blueberry Eyes(feat. SUGA of BTS)」
セブンスコードで始まるイントロのコード進行からして、もうツボなはず。たぶん風さんが好きなコード進行なんじゃないかな。
4つ打ちのリズムに乗せて、コードは基本ループです。バリエーションを付けながら繰り返して、そのままサビまで繋いでいき、インターバル的にラップが入る。
実はこの手法、BTSの曲では、定番の構成なんですよね。風さんが荷造り作業の際、BGMでかけていたドージャ・キャットの「SaySo」(グラミー受賞曲)も、ほぼ同じです。
ちなみに今更ですが、この曲できっかけでBTSが、いかに世界照準で楽曲制作しているかに気が付きました(遅い)
何より、この曲はMAXが身重の妻と、生まれてくる子どもを思って作った幸せいっぱいな曲。もうすぐ父親になるMAXの想いや、家族に対する愛と幸せがあふれ出しています。
風さんがパパになる時も、こんな感じで妻と生まれてくる子どもに曲をプレゼントするのでしょうか?風2世を期待するのは、まだ気が早い!ですが、そんなほほえましい姿を想像してしまいます。
⑥ニール・セダカ 「Laughter In The Rain」
洋楽の中では、風さんが既にカバーしている「Raindrops Keep Fallin' On My Head -雨にぬれても」が有名ですね。
風さんは雨にちなんだ曲を色々歌ってるけれど、雨降りでも幸せいっぱいソングなら、「Laughter In The Rain(雨に微笑みを)」も歌ってみてほしい1曲。
「とっても幸せ感じているんだよ」って微笑みながら歌うの、風さんに似合うのではないでしょうか。
あの「Mondo Grosso」もカバーしていました。
…そして風さんに、お子さんが生まれたら、いつかこの曲を歌ってほしい。本当に気が早いですが(笑)
⑦スティービー・ワンダー「Isn’t She Lovely ~かわいいアイシャ」
愛情いっぱいに育てられたんだもの。絶対に風オトンさまのような、慈悲深い素敵なお父さんになるはず(ホントに気が早い!ですが 笑)
⑧Deniece Williams 「Free」
「Free」は1976年のヒット曲。デニース・ウィリアムスの透明感のあるヴォーカルと、しっとりとしたサウンドが心地よいアダルトなバラードです。「もうええわ」では「放棄と解放」をテーマに歌っている風さん。もうこうなったら、全てから解き放たれた心地よい世界も歌ってみてほしいです。
原文は”He”ですが、彼=風さんがいつも言っている”ハイヤーセルフ”と仮定してみてください。聖なる存在への憧れと感謝、願いを歌っているように聴こえてくるはず。
風さんには「Shake It Off(JAZZ cover)」のように、間奏ではエレピのソロも盛り込んでほしい。ジャジーに、しっとりと歌ってもらえたら最高です。
こちらはテイ・トーワのカバーMIX
おまけ~番外編(ピアノトリオ)
フィニアス・ニューボーン・ジュニア「All Things You Are 」
あくまで願望なので、ぜいたくを言わせていただきましょう。
カバーアルバムのラスト1曲は、ピアノトリオなどのインストゥルメンタルを入れてもらえたら。「All Things You Are」なんていかがでしょうか?
風さんは以前ラジオ出演の際、幼いころ、「お父さんにオスカー・ピーターソンのピアノを聴かせてもらった」と話していました。
フィニアス・ニューボーン・ジュニアは、その才能とテクニックで、オスカー・ピーターソンの後継者とも言われるほど。しかしながら精神を患い、57歳で他界してしまいました。録音作品も、それほど多くはありません。ですが、超絶技巧と抒情的な表現は、何度聞いても色あせない魅力があります。
そして、手くせと言うか弾きぐせというか、歌心のあるフレージングや、ピアノ1台でも色彩豊かで、音に厚みがあるところが、なんとなく藤井風さんっぽいのです。あくまで、わたしの感覚ですけれど。
”歌う人”の風さんも魅力的ですが、いつの日か、彼のピアニストとしての神髄も感じてみたい。常々、そう思っています。
画像引用:藤井風公式YouTube、Twitter
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