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「あなたの意見は書かなくていい。見たこと聞いたこと”事実だけ”を書くんだ」と言われて書いてきた”わたし”が藤井風に出会い超・個人的な心情をつぶやく

客観的事実しか書けない、書かない

「これからあなたに書いてもらう記事には、あなたの意見や感想は一切書かなくていいです。感想文でもポエムでもない。取材して見たこと、聞いたことだけを書けばいい。」

わたしがモノを書く仕事に就いたとき、上司に言われた言葉です。

ちなみにいま、この文章は下書きをせず書いています。感情の赴くままに筆を走らせるなんてことは無縁でしたが、ここでは自由です。やります。

いつも、感情より客観性を保とうと務めていました。感情に流されることなく、事実とデータに基づいて徹底的に調べ上げて書く。物事を俯瞰(ふかん)で観察するのは当然だと思っていました。

でも、自分の心をのぞくには遠すぎて、逆に自分自身が見えなくなっていたのかも知れません。そして気付かぬうちに、感情にフタをしていたのかも。

藤井風さんの「青春病」を聞いて、まさにわたしは「フタ」に気が付きました。いや、つい昨日まで気付いていなかったのかも知れないです。

「フタ」を開けると

初めて藤井風さんの音楽に触れたとき、本当に恐れ多くも自分と同じ匂いを感じました。それは経歴や通過してきた音楽スタイル、ものに対する考え方や死生観までです。

しかも歌詞の世界観は「解放と放棄」がテーマだなんて。自分が20代の頃、書いていたものと同じで驚きました。ファイルを引っ張り出して再読したくらい。

彼を深く知れば知るほど、心が共鳴し震えるのです。彼はわたしが迷いつまづきながら、やっと歩いてきた音楽の道を、いともさらりと風のように通り抜けた。そして、わたしが進めなかった道をどんどん歩んでいく。見ていて圧巻でした。

どうしようもなく惹きつけられる理由

子ども達にも「おかーさん、なんでそんなに風くんが好きなの?」と聞かれると「だって、おかあさんがだいすきな歌もピアノも、風くんがぜーんぶ歌って弾いてくれてるんだもん」と答えていたぐらいですから。

「おかーさんが、もしも今、子どもだったら風くんみたいになりたい?」

「うん、もちろん!」

「でも風くん、ときどき泣いてるみたいに見えるときが、あるよ」

「…。」

武道館ライブを観ていた時、子どもとしていた会話です。

天才の心の内はわからないけれど

風さんがAOR(YouTubeアーティスト・オン・ザ・ライズ)に出演した頃からでしょうか。少しずつ明らかになる彼の素顔と言葉。触れるたび、表には出さない想いや葛藤まで感じられるようで(勝手に)胸が苦しくなったりしていました。そしてその感情は「へでもねーよ」「青春病」を聴いた時、最大値に。

美輪明宏さんが、三島由紀夫の気持ちを聞かれて「天才の心を推察するのは僭越(せんえつ)です」と答えたそうです。その通りだと思います。まさに天才・藤井風の気持ちを推察するなんて、僭越どころか無粋です。それに、わたしは藤井風ではないのですから。

わたしは自分の生活ほぼすべてを、音楽に捧げたレッスン漬けの中高生活を送りました。そして、そこから推測して「青春病」に関する記事を書きました。まるで風さんの青春までも音楽漬けだったかもと(勝手に)感じ、そして自分の失われた時間を想い…しきりと涙腺を緩ませる週末。

わたしは自分の青春を音楽に捧げたことが、燃え殻のように心の奥でくすぶっていたんだなと。そこに風さんの音楽が、着火剤のようにブワっと火をつけたのです。

そんな中、記事を読んだ方から「音楽に捧げた時間以外にも、風くんはちゃんと高校生活も楽しんでたんじゃない?青春ちゃんとしてたよ。だからだいじょうぶだよ!これからもっと輝いていくんだし、一緒に応援していこうよ!」とメッセージをいただきました。それを読んでいて気付いたのです。

そうだ、そんなどどめ色のことばかりではなかったはずだ。楽しそうなクラスメイトとの動画もたくさんあるじゃないか。そこに気付かせてくださったフォロワーさん、ありがとうございます。

わたしの記事では、放課後のレッスンや音大受験生の大変な所に焦点を当てて書きました。はっきりいって”どどめ色”の割合が高いです。でも自分自身の高校生活自体も、もう一度ちゃんと向き合って思い出してみようと。

忙しくて辛いことばかりの青春じゃなかった!

わたしは公立高校の芸クラ(音大・美大志望の生徒クラス)にいました。風さんと同じように毎日仲間と合奏したり歌ったり。みんな放課後はそれぞれ忙しかったけれど学校生活は楽しかったです。国際的に活躍する音楽家の先輩がふらりと訪ねて来ることもありました。(風さんも母校へふらりとやって来そうですね)

美大志望の友人の家に大勢で集まり、当時まだ高価だったカラーコピー機を駆使して”裏卒業アルバム”を作ったことも思い出しました。内容が芸術的すぎて担任から発禁を命じられたのは残念でしたが(笑)

浄化される想い、そんな自分でもべつにええよ?

風さんに勝手に辛かった自分のどどめ色時代を重ね、必要以上にネガティヴな感情で見ていた自分に気付きました。バチが当たります。ほんと風さん、ごめんなさい。でも風さんだったら「ふふ、べつにええよ」って許してくれるでしょうか(妄想)。

藤井風ファンのみなさんの優しいメッセージのおかげで、わたしの音楽に対する積年の燃え殻と向き合えました。感謝。これでちゃんと成仏というか、浄化させてやることができそうです。それにはとにかく”音楽を止めるな”ですよね。

超・個人的なつぶやきというより長文なのに、ここまで読んでくださったあなた、ありがとうございました。また2千字超えちゃった。やっぱり藤井風を語ると尽きないの、何なんw


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