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インパクト強し!「へぇ~」「ほぅ~」の旅 ~福井県小浜市~【11月旅①】

今年の6月からスタートした「地域ものがたるアンバサダー」活動の、最後の訪問先は福井県小浜市。私の記憶では、おそらく敦賀市と同じく初めて訪れる場所。今回は、午後からジオリブ公開講座に参加するので、午前中に現地へ入り、いつものレンタサイクルを駆使してムダなく散策してみようかなと画策。🚴‍♀
ほんのわずかな滞在でしたが、私にとっては強烈なインパクトを残す日帰り旅となりました。

❚  テ○ビ○京の「バス旅」かよーッ!

 今回は色んな意味で「初めて」だらけ。まず、旅のスタートのサンダーバード(TB)で初めて「近江今津駅」で下車したこと。高槻に停まる列車は知ってたけど、近江今津は想定外。

 というのも、当初の計画では敦賀まで行って、そこから小浜線に乗り換えるつもりでした・・・。が、時間のロスがハンパなくて、公開講座しか参加できなくなっちゃうんで、散策の時間を捻出すべくルート変更しました。

 ものの1時間ほどで下車し、近江今津からJRバス、いわゆる路線バスに乗り換え。アンバサダーの旅で、路線バスに乗ったのは初めてだし、しかも1時間超えの乗車も初めて。

『朝が早かったから、寝るにはちょうどいいや』

なんて淡い期待は、見事に打ち砕かれました⤵

 車内にはざっと見て、10人も乗ってなかったでしょうか。しかも、誰一人しゃべっていないのに、バス後方の左右の窓が前後それぞれ数㎝ほど開いてます(全開じゃないよ)。

『誰も寒くないのかなぁ?』

 車内を見渡すと、みなさん忍耐強い!?、誰も窓を閉める気配はなし。これじゃ眠るどころか、

『一発で風邪引いてしまうやん!』

と、ツッコみたくなるところですが、こんな体験も普段の旅じゃ味わえない、アンバサダー活動ならではの醍醐味?(ぶっちゃければ「noteネタ」になる!)と、己に言い聞かせ・・・。

 ダウンジャケットとマフラーで寒さをしのぎつつ(🧣持ってきて良かった)、小浜駅到着を待ちます。🚌

 でも、あまりの寒さに耐えきれず、あとでちょこっとだけ隙間を狭めましたけどね。(^^ゞ


❚  小浜へのショートカット「若江線じゃっこうせん

 近江今津から小浜駅を結ぶこのバス路線は、若江線じゃっこうせんといいます。大阪や関西の人だと多分、十中八九の人が「わかえせん」と読みそう。だって、大阪には若江岩田わかえいわたって読む地名があるから。

 すべてのバス停には停車しませんが、その数はなんと48か所!西日本JRバスのサイトには、各停留所名と付近の観光名所も紹介されてますが、この便で途中下車したのは、2~3人ほどだったかなぁ・・・?大半の乗客は終点で降りました。

バス停から徒歩ではちょっと遠い観光名所も(西日本JRバスのホームページより)

 名前の難読度もさることながら、この路線、日本で唯一JRとの連絡乗車券(マルス券)で乗れる路線バスだそうで。ようするに、JR券の「経由」の部分に「自動車線」と表記される唯一の場所なんだって。う~ん、かなりマニアック過ぎて、鉄分好きの私でさえよくわからん・・・

 あっ、そういえばこの路線、未成線みせいせんだったんだ!

❚  時代に翻弄された、幻の未成線みせいせん

 面白いことに、若江線は国鉄時代の未成線でした。厳密には、湖西線の近江今津駅と小浜線の上中かみなかを結ぶ「国鉄若江線」計画が、戦前からあったようです(調べるとキリがないので、ここはザックリと)。

 この未成線という言葉、厳密(狭義きょうぎ)には構造部や路盤を建設したけれど、途中で建設を中止した路線を意味するらしい。
 でも広義こうぎでみると、

①  構想段階で終わった路線
②  事業免許を取得したものの建設までたどり着かなかった路線

これらを含めて未成線というみたい。ちなみに、若江線は①に該当します。何だかバスの話をしてたのに、いつの間にか鉄分が高くなってきましたねぇ。
 当時から、関西と小浜のアクセスは舞鶴・敦賀どちらを経由しても遠回りだったようで、小浜〜関西間のショートカットとしてのメリットから、それなりの鉄道需要があると見込んだのでしょう。ただ、すぐ建設に着手されることはなく、鉄道に先行して1937年に「国鉄バス若江線」が開業。

 時代が戦後になると、雲行きが怪しくなります。1970年代には国鉄の経営が悪化、また国鉄民営化にともなって鉄道敷設法も廃止(1987年)されてしまい、鉄道を建設する法的根拠を失っちゃいました。

 なのにどうしてか、滋賀と福井両県が主体となって「琵琶湖若狭湾快速鉄道」(若狭リゾートライン)という構想を打ち立て、誘致運動が続けられていたそうです。そんな話があったとは、全然知らんかったなぁ。

 最終的には、北陸新幹線の小浜ルートの決定(2017年)で計画は中止。戦前から、いろんな社会情勢に翻弄されたルートだったんですね。

立正大学紀要「地球環境研究」第23号(2021年)には、若江線の歴史や沿線住民への認知度などをまとめた岩谷恭弥氏の論文が掲載されています。✨

 ちなみに、バス時刻表をみると、朝6時~19時台までほぼ1時間に1本(11時台はなし)の運行便数となっています。JR湖西線との接続を考慮した時刻設定になっているので、乗り換えのロスはほとんどありません。

 バスの乗車率所要時間を考えれば、ここにわざわざ鉄道を敷設しても、JRの赤字を膨らませるだけだったかも、と計画が進まなかった理由が垣間見えた気がします。

若江線・下りの時刻表。6時台~19時台まで、ほぼ毎時間1本の運行本数(西日本JRバスのホームページより)


❚  小浜駅に到着!

 1時間あまりバスに揺られ、ようやく小浜駅に到着!下車して駅舎の方をふり向くと、何となく昭和感の漂う景観。10時半過ぎにしては閑散としているし、車の通りもややまばらだったかな。

 予定どおり、すぐさま駅前の「若狭おばま観光案内所」に向かい、レンタサイクルを借ります。詳細はリンク先を参照頂きたいのですが、なかなかスタイリッシュな電動自転車に乗ることができラッキーでした(せっかくの写真を撮り忘れた~)。

 観光案内所から、チャリで5分足らずのところにある「小浜市まちの駅・旭座」へ向かいますが、ここから先は、次回のお話ということで・・・。

若狭フィッシャーマンズ・ワーフのホームページより。