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Arc&Beyondで取り組むテーマは?インパクトクリエイション部の紹介

はじめまして!Arc & Beyondの業務執行理事を務めている、はぎー(萩原丈博)です。代表理事の石川さんと一緒に2022年の冬頃からArc & Beyondの立ち上げを進めてきたCo-Founderでもあり、Arc & Beyondでは、社会にポジティブな変化を起こす事業やプロジェクトを企画し実行するインパクトクリエイションを担当しています。
今回の記事では、私がArc&Beyondに関わることになったきっかけと、担当している「インパクトクリエイション部」について、具体的な取り組みをご紹介したいと思います!

キャリアの土台〜テクノロジーをあらゆる人の創造性の選択肢に〜

私のキャリアや価値観には、幼い頃からの特別な背景があります。実は私は生まれつき、徐々に足が悪くなって走ったり運動をすることが難しくなっていく病気を抱えていました。できることが少しずつ減っていく幼少期の中で、自由を感じることや自分の可能性を信じることが難しかったんです。
そんな中、中学生のときにプログラミングと出会いました。画面の中で自分のアイデアを自由に表現できるプログラミングは、まるで「無限の可能性」を与えてくれるようでした。初めてプログラムを組んで画面に動きが出たときの感動は、今でも鮮明に覚えています。「限られた自分」ではなく「可能性に満ちた自分」を感じられた瞬間で、この体験が後のキャリアの土台になりました。

みなさんは、「テクノロジー」と聞いてどのようなイメージをもたれるでしょうか?「難しそう」、「専門的な人が扱うもの」など思われる方も多いのではないでしょうか?

もしそんな現状に対して、もっと自由に手軽にテクノロジーを扱えるようなツールがあったらどうでしょうか?そのような思いで、2015年にIoTブロック「MESH ™」を開発しました。

文房具のようにセンサーやIoTなどのテクノロジーを扱えるツール「MESH」

MESHでの経験と「人々の創造力を引き出す」という信念

「MESH」は、プログラミングや電子工作の専門知識がなくても、誰でもセンサーと身近なものを組み合わせてIoTのような仕組みを形にできるツールです。2015年にグッドデザイン未来づくりデザイン賞、2018年にはキッズデザイン賞も受賞し、現在では小学校の教科書に掲載されるなど小学校のプログラミング教育から大学の授業や社会人の研修まで、幅広く活用いただいています。

MESHを通じて感じたのは、テクノロジーはただの「便利なもの」ではなく、人々の想像力を解き放つための手段になり得るということです。実際にMESHを使ったワークショップで子どもたちの先生から「こんなに子どもたちの自由な発想を見たのは初めてです!」と言われたとき、テクノロジーが人々に「可能性を広げる体験」を与えられることを強く実感しました。

このような教育活動に携わるなかで、事業としてはなかなか関わることができない領域や、教育・体験格差も見えてきました。
経済合理性を理由に取り組むことが難しかった課題の解決に、事業として取り組んでいきたいという想いが強くなり、代表理事の石川さんとともに経済合理性を超えて社会課題解決に挑戦できる法人としてArc&Beyondを立ち上げることを決めました。

経済合理性を超えてチャレンジ。例えばピンクの領域に。

Arc & Beyondの3つの部門とその役割

Arc & Beyondは、社会的なインパクトを創出することを目指して活動しています。組織は大きく分けて3つの部門に分かれています。

・インパクトクリエイション部

社会にポジティブな変化を起こす事業やプロジェクトを企画し、実行する部門です。さまざまなパートナーと連携しながら進めています。

・インパクトマネジメント部

各事業やプロジェクトの成果やインパクトを最大化するための評価と、効率的な運営のサポートをする部門です。

・ソーシャルリエゾン部

地域や社会、人々とのつながりを築き、プロジェクトの活動を広める役割を果たします。

インパクトクリエイションでチャレンジしたいこと 〜少年院や未来の教室をはじまりに教育・福祉・スポーツの分野で〜

インパクトクリエイション部は、教育・福祉・スポーツの3つの分野を軸に、テクノロジーとデザインの力を通じて社会と人々の関係にポジティブなインパクトをつくりたいと考えています。具体的な活動の例として以下の3つの取り組みをご紹介します!

・少年院でプログラミング的思考×課題解決型学習に関する取り組み

少年院にいる少年たちが社会とつながるための取り組みの一つとして、プログラミングと問題解決を組み合わせた教育プログラムの開発をArc & Beyondのパートナーでもあるソニーマーケティング株式会社のMESH事業室と一緒に行います。少年院でのMESHの活用は、2021年より6か所の少年院での模擬授業を通して行ってきました。この取り組みは、私だけではなく、現在Arc&Beyondで一緒に活動している石川さん、原さん、村田さん、MESH事業室の杉本さんと共に進めてきました。その経験や実績も本プログラム開発に活用していきます。
単にプログラミングのスキルを教えるだけでなく、主体的に問題解決を行っていく手段を身体性をともなって体験することで、自転車に乗る方法を学ぶように自然に身につき、社会に出たときに自分の力で道を切り開く力につながることを期待しています。

・「未来の教室」実証事業への参画 :教育の地域間格差への取り組み

「未来の教室」とは、経済産業省が2018年度から進めている、新しい学習指導要領のもとでの、1人1台端末と様々なEdTech(エドテック)を活用した新しい学び方に関する実証事業です。Arc&Beyondは、令和6年度の「未来の教室」実証事業に採択され、地域の子どもたちが手軽にテクノロジーに触れられるよう、IoTやAIを活用した探求的な学びに参加できるような環境を、地域内外の企業や地域の方々と整備することを目指して活動しています。子どもたちの「好き」や「興味」を大切にし、楽しみながら学ぶ課程にテクノロジーを選択肢として加えられたらと考えています。この取り組みの一環として、11月24日に秋田でワークショップも行います!お近くの方はぜひご参加いただけると嬉しいです!(ワークショップの詳細はこちら

・インクルーシブメイキングへの取り組み:人の可能性をテクノロジーで

Arc & Beyondで取り組みたいテーマのひとつに「あらゆる人の可能性をテクノロジーやデザインの力で引き出す共創の場の開発・実施・支援」があります。「このテーマで進めていくからには、さまざまな方と進めて行きたい!」と思い、組織を越えて社会課題解決に挑むプロジェクトを立ち上げることのできるプラットフォーム「Beyonders」の2024年上期プログラムに、私と村田さんでプロジェクトオーナーとして参加しました。
この「Beyonders」は、Arc&BeyondのパートナーでもあるNPO法人ETIC.が運営しています。ありがたいことに多くの方にプロジェクトにご応募いただき、その中から選考させていただいた4名のプロボノメンバーとともに、「人の可能性をテクノロジーで引き出す共創の場づくり」の実現に向けて取り組んでいます。12月には同じくArc&Beyondのパートナーである株式会社ロフトワークが運営するFabcafe Kyotoでワークショップを開催予定です!ご興味のある方はぜひご参加いただけると嬉しいです!
(ワークショップの詳細はこちら

このようにインパクトクリエイション部では、テクノロジーを活用することで、これまでできなかったことができるようになったり、あらゆる方々が実現したいアイデアが形にできるような未来を目指したいと考えています!「社会課題をクリエイティブに解決する」ことをテーマに掲げ、若い世代や子どもたちと一緒に「ワクワクしながら創造性を引き出す」ことにもつなげて行けたらと思います。

それぞれのプロジェクトの詳細は、取り組んでいるメンバーと一緒にnoteで発信していきますのでお楽しみに!

Arc & Beyondが目指す未来

最後に、私の想いを少しお話しさせてください。
私はテクノロジーに加えてアートも好きで、アートには「正解のない問い」という魅力があると感じています。テクノロジーは私たちにさまざまな可能性を提供してくれますが、それは手段でしかありません。その手段を人々がどう使い、どのように社会に役立てるか?それはまだ正解のない新しい問いを立て、かたちを創っていくアートに近い活動のようにも見えてきます。そう思うと少しワクワクしてきませんか?

Arc & Beyondでの活動を通じて、「私たちにはテクノロジーという手段をつかって、社会をより良い方向に導く力があるということ」を一人でも多くの人に実感してもらいたい。そして、どのような環境にある人でも自分の可能性を信じ、創造性を発揮し、それがさまざまな感動につながっていく社会を実現したいと思っています。でもそれは決してひとりの力やひとつの会社だけでできることではありません。より多くのポジティブなインパクトをつくっていくために、一緒にチャレンジしてくださる方、応援してくださる方、ワクワクしてくれる方、ぜひ、気軽にコメントいただければ幸いです。お待ちしております!

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