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チェロ:北村陽 神の声を聴きにサマーミューザ初参戦しました

近頃すっかり肌寒くなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
とは言え、日中は残暑感じる日もあったりして…
もうすぐ11月なのにね。
さて、そんな今日は夏を忘れないうちに、今更ながらサマーミューザ2024の思い出を綴ろうと思います!←こじつけ感満載

このイベント、正式名称は
フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024
音楽の夏祭りで、期間中はほぼ毎日色んな演奏会や催し物が開催されているのですが、私はチェリスト 北村陽さんの演奏を聴くために参加しました。
「チェロの演奏を聴きに行くなんて珍しい!」
と思ったそこのアナタ!!
今まで語っていませんでしたが、私の愛する三大楽器がピアノ・チェロ・サックスなのですよ!
チェロの良さに気づくまで、ピアノとの演奏で最も美しい響きになるのはサックスだと思っていましたが、ヨーヨーマの音に感動してからはチェロも仲間入りすることに。この三大楽器で合奏すると、とっても美しくなると思っているのですが…なかなかそのような組み合わせでの演奏はないですね。
そして、そんな大好きなチェロの演奏で1番美しいと思っているのがバッハの曲。
無宗教の私ですが「神は存在するのかも…」と思うほど、チェロで奏でるバッハの神々しさに圧倒されます。
その神の音を、どうしても北村陽さんの演奏で聴きたくて。しかし、ご本人はまだCD等出していないのです。なので彼の音を聴くためには、直接演奏会に足を運ぶしかないのですが、海外で多忙な学生生活を送られている北村さんの演奏会ってあまり多くない。そんな貴重な演奏会で、数多ある作曲家達からバッハが演目に選ばれる確率まで考えると、北村さんのバッハが聴けるのって数年先になる可能性あり。
やはり今年、むしろ今、北村さんのバッハを聴きたくてたまらない衝動にかられていた私は「バッハの無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュードが聴きたい」と、メッセージカードに書いて4月のリサイタルでお渡ししていたのです。
演奏会に行く際は、ほぼ毎回奏者さんにメッセージカードをお渡ししています。
メッセージカードについては、所属事務所によって扱い方に取り決めがあると思うので、ご本人に渡されない可能性も承知の上でいつもスタッフさんに預けています。なので、今までどのくらいのメッセージカードが奏者さんに渡っているかは不明。
きっと渡されてないんだろうな〜なんて思いつつ、もしかしたら読んでもらえているかもしれないと言う淡い気持ちを抱きながら、その答え合わせをする日がこのサマーミューザだったのです。

その答え合わせをする前に。
少し脱線して宜しいでしょうか。
私、オーケストラの演奏って今まで本当に良いと思ったことが少なくて…
音の数が多く、私の理解が追いついていないだけだと思うのですが、とにかく毎回モヤモヤする。しばらくオーケストラ鑑賞は控えていましたが、今回はソリストが北村さんでしたし、アンコールにバッハが聴けるかもと言う期待もあって参加しました。が、やはりオーケストラの演奏にはモヤモヤする結果で終わりました。
上手く説明できないのですが、演奏中ずっと四方八方から音が飛んで来て、それが色として上手く混ざらない。音にも緊張感がなくて、絵として見た時に締まりがなかった。楽器の配置にもちょっとモヤモヤしたりして…対向の壁に反射したコントラバスの音に違和感を感じました。

このホールでは、左右それぞれにバスを配置して欲しかったなぁ…なんて。
これも好みの問題なのかしら?それともオーケストラあるあるなの?逆にこの違和感が生オーケストラ演奏の醍醐味?そもそも、あえてそう作曲されているとか?
と、もうハテナマークが脳内で回り続けて疲労感満載。今回もオーケストラの音は理解出来ずでした。

と言う雑談です。
すいません、話しを戻します。
いよいよ、北村さんのアンコールの時間!
盛大な拍手に迎えられながらステージに戻ってくると、深々とお辞儀をされ着席。
大きく深呼吸したあとに奏でられた曲は…

紛れもない、バッハの旋律

その瞬間、あまりの美しさに涙腺崩壊。
北村さんに向かって、天から一筋の光がさしているかのような神々しさでした。
彼の音は切ないほどに憂を帯びています。胸が締め付けられるほど切なくなる音色もあれば、魂の叫びを感じるほど力強い音色もある。音たちが神に告解しているような、厳かな音の儀式を見ているよう。
赦しを受けた音は、両手を広げて待つ神のもとへ吸い込まれていく。音の表面には艶があり、音は北村さんから独立して動いている印象。
ちなみにヨーヨーマは、音とご本人が一体化している気がします。そして、穏やかで慈愛に満ちている。繊細かつ卓越した技術で音色(おんしょく)にも幅があり、それが音となった人々の祈りのよう。優しく微笑む聖母マリアを包み込むような、深みのある音。

チェロ誕生の詳しい起源は不明みたいですが、私は信仰と関わりがあったのではないかと思っています。例えば、キリスト教普及のために当時のローマ教皇がチェロに目をつけて裏で動いていたとか…
なーんて、オカルト好きな悪いクセがつい出ちゃう。
とにかく!
彼のバッハを聴けただけで、この夏悔いなし!
演奏された曲は無伴奏チェロ組曲 第6番 サラバンドだったけど、自分の中で前向きに捉えたいので、メッセージカードを読んでくれた上での選曲だったことにしておきます。

次は12月のリサイタル。
クリスマス前、ひと足先に神に会えることを楽しみにしています♪♪

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アンナ ブラック
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