「ストーリーを上げるのに返信しない人」に厳しすぎない?
コンビニのレジ待ちで、こんな会話が聞こえてきた。
「あいつさー、飲み会のストーリーは更新すんのにDM全然返してこないの、なんなの?」
「いるいるー!ストーリー上げる時間あるならDMぐらい返せるだろって」
「なんなんだろうね?ふつうにスマホ触ってんじゃん(だから連絡できるでしょ)」
大学生だろうか。
友だちの連絡が遅いとグチっている。
そりゃあ飲み会のあいだにDMは返さないよ。
だって飲み会を楽しんでいるんだもの。
飲み会を楽しんでいるストーリーをリアルタイムで上げることも、飲み会の楽しみのひとつなんじゃないのかな。
だから。
わたしは「リアル」な人間関係を築いている人とSNSでつながるのにとても消極的だ。
まるで行動を監視されているような気分になるから。
さっきの女子高生たちが槍玉にあげる「あいつ」の立場である。
「既読もつかない」
「既読がついたのに返事がない」
「SNSに投稿しているのにこっちの連絡は返さない」
もしかしたら
「noteを書く時間があるなら連絡できるでしょ」というご意見・ご感想だってあるかもしれない。
…なんか、息苦しいよね。
下手したら「連絡ハラスメント」にさえ感じるよ…。
あなたのためだけに生きているわけではないからね、とさえ、思う。ひどいときには。
すべての連絡が「はい」「いいえ」「了解」「ありがとうございます」の返信ですむなら苦労しないのよ。
たとえば予定を確認して調整したり、誤解のないように必要な情報を整理したり、角が立たないように言い回しを考えたり、連絡って単純なようでいて意外と負荷のかかる作業だ。
「返事はあとで時間のあるときに腰を据えて打とう」と、返信を後まわしにした経験がある人は1人や2人ではないはず。
よく「電話は人の時間を奪う行為」というけれども、なかには監視(されているような感覚)によって自分の連絡のタイミングが奪われている、行動が制限されるように感じている人もいるかもしれない。
疲れを感じる人も実際に多いんじゃないかな。
デジタルデトックスとか、スマホとPCをOFFにして旅行したいとか、ニーズがあるのがその証拠だと思うのよね。
いつだか忘れてしまったけれど、わたしもほとほと疲れてしまったことがあって。
メールやショートメールにLINE、Slack、ChatWork、メッセンジャー…わたしが1日にやりとりする数は少ないほうだと思う。それでもスマホはせわしなく新着メッセージをお知らせしてくれて、その度に返事を急き立てられるような気がして、気が滅入りそうだった。
それ以来、スマホは24時間サイレントモード、さらに夜はおやすみモードに設定し「スマホは基本的に通知OFFなので返事遅いです」と公言することにした。
「この人は返事が遅い人なんだ」と認識されれば楽だし、結果楽になった。
もう何年も前に観たテレビ番組で、沢尻エリカさんはこう言っていた。
「わたしは基本的にLINEの返事をしません。既読は『読みましたよ』のサインだから、それでじゅうぶんじゃないですか」と。
…めちゃくちゃ潔い。
ちょっと憧れさえする。
少数派とはいえ沢尻エリカさんのように「返事しない人」もいるわけなので、やっぱり「わたしは連絡が来たらすぐ返信するんだから、相手もそうすべき」はちょっと厳しすぎるんじゃないかと。
とはいえ明確に返事の期限が決まっているもので、期限を過ぎても返事がないというのは話が別ね。あとは仕事とか。わたしもそこは守る。
急を要するものや期限が決まっているもの以外については「返事が早かったら嬉しい」なら良いのだけれど、「◯◯する時間があるなら返事を」というのは、厳しすぎやしませんか…。
みんなそれぞれ自分の時間軸と価値観で生活しているのだから。
デートに出かけて「あなたは歩くのが遅いですね。景色なんて見てないで、もっと速く歩いてくれませんか?」とは言わないだろう。
それに似ていると感じてしまう。
そもそも連絡って「早い / 遅い」の基準はコロコロ変わるのよ。
1週間後までに返事をすればいい忘年会の出欠を明日返信すれば「早いですね、助かります」と感じられるだろうし、明日の待ち合わせの連絡に対して明日になって返信していたら「遅いよ」と思われるだろう。
そう思うと、迷惑がかからないように返事するだけでも、実は大したことだよねと思えてならない。
手軽で便利で、プライベートな情報が「見える」世の中だからこそ、推測ともいえる妄想が働き、自分の「あたり前」という定規で計り、モヤモヤしがち。
それじゃあお互いストレスになるよ。
ありきたりだけどSNSとの距離感、相手との距離感、スマホとの距離感そして時間の距離感。
ストレスなく思いやりを持って接することができる距離を見つけたいよね。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたはSNSやスマホと、どんなふうに距離を保っていますか?