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ティラノサウルスを乗りこなしたい

3m
6m
50m

上から順に、ゾウ、ティラノサウルス、ゴジラの身長である。
動物園でゾウをみても「でけぇ…!」と圧倒されるのだから、ティラノサウルスやゴジラを目の当たりにしたら冗談抜きでちびりそうだ。

ティラノサウルスやゴジラが走ったら、やっぱり地鳴りがするんだろうか。
競馬場でレースをみていると、ちょっと地鳴りっぽいものを感じる気がするもんね。
どんな足音なんだろうね。

…そんなくだらないことを、移動の電車のなかで考えている。
そういえばティラノサウルスやプテラノドンは、どのぐらいの速さで移動できるんだろう。

∽∽∽

目的地まで3時間半~4時間程度といったところか。
電車に乗っている時間だけでも3時間はあるだろう。

電車に乗るのはとても楽しみだが、電車に乗るまでが本当に苦手だ。
乗りそこねられない電車であればあるほど。

大都市圏の電車はいい。
1本逃しても10分待てば次の電車がやってくる。

でもこっちで電車を1本逃すことは、ゲームオーバーを意味する。
プレッシャーを感じずにいられない。
家を出発する間際にだいたいおなかが痛くなるか、えづく。

駅に着いてもまだ気は抜けない。
電車のホームを間違えがちだから。

もはや電車に乗るまでにへとへとである。難儀だ。

しかし電車が走り出せば、今までの苦労も景色と一緒に流れ去っていく。
さわやかで目にやさしい新緑に癒され、
遠くの山々を眺めて己の存在の小ささを再認識し、
川の流れ着く先に思いを馳せてみたり
日光が水面にキラキラと反射する田んぼに目を細めたりもする。
あまりに穏やかで美しくて、涙が出そうにもなる。

さっきまであれだけ焦り、追い詰められてえづいてさえいたというのに。

わたしの外出体験は電車ではなく、まるで暴れるティラノサウルスの背中に必死にしがみついているようではないか。

∽∽∽

わたしの日常生活においては、いついかなるときも恐竜がわたしを脅かしてやろうと眼を光らしている。

夫の機嫌が悪そうなときには恐竜の足音が聞こえるし、納期が重なったときには息遣いさえ聞こえる。

びくびくしているから相手におもしろがられる。
煽られ、追い立てられ、振りまわされる。

でも、恐竜には目もくれずやるべきことに集中していれば、向こうもわたしへの興味をなくしてどこかへ去っていく。


いつか恐竜ともうまくダンスできるようになりたいね。
ヨッシーのように背中に乗せていただいて。
脅かされるばかりだった存在を、味方に変えていけたらすばらしいよね。


今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたにとっての「恐竜」はなんですか?

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