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今日ときめいた言葉224ー「よい統治とは何か」

近く行われようとしている選挙に向けた小熊英二氏(歴史社会学者)の寄稿文の言葉から(2024年10月12日付 朝日新聞)

ここでズバリ小熊氏は根本的に日本の課題を考えるとして「よい統治」について言及する。

よい統治とは何か?
「それは当該社会の構成員が幸福を追求する条件を整えることだ」という。

では、幸福とは何か?
「古代ギリシャ哲学では、人間の幸福は『善くあること』だと考えられていた。各自に役割があり、人として認められ、健康に日々の仕事をしている状態である」

現代日本語なら「みんなに居場所がある」「誰もが一人前と認められる」「各人の尊厳が保たれている」にあたるのではないかと。

よき統治とは構成員がこうした意味での幸福を追求する条件を整えることである。しかるに「よき統治」を実現するためには、日本には解決すべき課題があるという。

小熊氏は私見として雇用問題を挙げる。非正規雇用労働者や中小企業労働者の低賃金が人間として「善くある」という実感を持つことを困難にしていると指摘する。このことは女性の地位や少子化とも深く関わっているという。

「生きていけない賃金で人を雇うのは尊厳と人権の侵害である」

朝日新聞 同寄稿文掲載記事

人間の尊厳が保てない低賃金の職の多さが、各方面に影響しているのではないかという。この問題は政策として想定は可能でも実現は簡単ではないが他の国では政府の力で改善した歴史があるという。

寄稿文の最後はこのように締めくくられている。

「『よき統治』とは、各人の尊厳を保障することである。それは政府の政策によって、ある程度まで実現可能である。そして政府の政策は政治の判断で決定され、政治の判断は有権者の意思で決定される。そのことを再確認し、想像力と知恵を巡らせ、有権者が未来への自信を持つことが求められている。それなしには、各人の幸福も、『よき統治』もありえない」

行き着くところは有権者なのである。今回、私の選挙区に高校に行けず(いじめで)大検を取って夜間大学で学び弁護士資格を取った女性候補者がいる。まだ若い。今までの町の顔役みたいなオッサンではないだけでもちょっとうれしい😃


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