私の推薦図書①「原因と結果の経済学」
最近、めずらしく読書熱が再燃している勢いに任せて書評なるものを書いてみようと思います。
まず、この第一弾でご紹介する本は教育経済学者の中室牧子先生との津川友介先生の共著「原因と結果の経済学」。
2017年2月に発行され、2017年のベスト経済書第1位に選ばれた本らしいです。
これはマジで読んだ方がいい。
「経済書」というカテゴリらしいですが、経済学に興味あるかどうかとか関係なく読んでほしい。
なんでお勧めするのかというと、この本には物事を判断する基礎がつまっています。
これは生活のあらゆる場面で重要になってきます。
例えば
「高収入を得るためにはできるだけ偏差値の高い大学に行った方がいい」
という考え方が果たして正しいのか。
これが正しいのだとすると
「偏差値の高い大学に入学する」(原因)
ということが
「将来的に高収入になる確率が上がる」(結果)
に繋がらないといけないわけです。
そして、実際にどうなのかというと…
両者に因果関係はなく、偏差値の高い大学に入学することがその人の将来の収入を引き上げる手助けにはならないことは科学的に証明されているのです。
デタラメを言うな。
と思ったでしょう?
それ!そこが重要!
たぶんこうだろう、と多くの人が想定していることが
実は科学的根拠がない説に過ぎないということが多々あるのです。
因果関係を科学的に推定する方法についてはこの本の中に書いていますのでここでは紹介しませんが
私がこの本を読んで強く思ったこと
この本を読んでみたいと思った方にぜひ考えてほしいことがあります。
この本には上記のような具体例がいくつか出てくるのですが
中には納得のいかないもの、強く反発を覚えてしまうものもあろうかと思います。
自分自身が論理的に考えて「因果関係がある」と推定したもの、あるいは逆に「関係ないはず」と思ったものについて
科学的に逆のことが証明さえれてしまったとき
考えてほしいんですよね。
なんでやねん、と。
なぜ因果関係がないのか
なぜ因果関係があると思ったのか
真実を見つけることは、先入観との戦いなんですよね。
自分が思ったことと逆の結果が出たときが、先入観から解き放たれるチャンスなんです。
人間は成長の過程で経験を積むうちに先入観が形成されていきます。
わずか2~3歳の幼児ですら先入観を持っています。
そして、大人になると先入観に縛られていつの間にか見たいものしか見なくなってしまうことがあります。
そういうとき、因果推論に立ち返って、先入観と取り払うことをお勧めします。
個人的に一番ショックだったのが
「学力の高い友人に囲まれても自分の学力は上がらない」
という事実。
偏差値の高い高校に行けば、その分まわりの同級生の平均学力も目線も高く、環境に引きずられて偏差値の高い大学に行ける確率が上がる。
って思ってました。
関係ないらしい。
塾講師や家庭教師のバイトをしていたときに
「多少無理してでも、偏差値の高い高校に行った方がええで。」
って言うてました。
ごめーん!
嘘ついてたー!
たぶん偏差値の高い高校の方が環境は充実してるし、大学入学後の友人関係の構築しやすさなんかには多少影響しそうな気はするけどね…。(エビデンスはありません。)
以上です。
せっかくなのでアマゾンアソシエイトのリンクを貼っておきます。