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【詩】Dry Grief

紅蓮の花が咲く
憂いを宿した心は虚ろなまま
いつかのあなたは泣きじゃくっていて
戸惑いを隠せぬまま伸ばした腕は宙を掴んだ

浅瀬に浮かんだ下弦の月
かもめの影が刹那 風と共に通り過ぎた

慰めを拒んだ瞳にはモノクロの景色しか映らない
挫けそうな弱さを硝子の霧で包んで
時間をかけて 砕き 掬い上げ 零す
忘れかけていた子守唄が闇夜に溶けていった


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