みんなが行きたくなるテーマパークのような病院
15年前にバルセロナに行った時、あまり知識がなくサン・パウ病院に行って、こんな病院にいたら、気分が明るくなって、病気の治りも早くなるんだろうな、と思いました。
その当時は、まだ病院として使われていたのですが、世界遺産だったので観光客も訪れていて、屋外の庭園のベンチに腰掛け、のんびりすることができました。
モンタネーの建築は、ガウディ建築よりもロマンチックで、特に女性が好きそうな感じでした。
その後、わたし自身、2018年と2020年に2つの病院に入院し、父が2018年、母が2019年に病院に入院したことで、
そもそも病院の建物って、四角くて白くないと行けないのかな?
と疑問に思うようになりました。
白は精神的にフラットでいられる色なのかもしれないですが、病気の時にはなんとなく気分が落ち込むような気がします。
病室の窓からの景色は良かったのですが、大部屋の場合、窓際の人のベッドの隙間からちょこっと覗くことしかできませんでした。
原色のようにあまりにもカラフルだと、精神的に落ち着かないかもしれませんが、パステル系のピンクやブルー、イエローなどならば、白よりも楽しい気分になりそうな気がします。
山本容子さんは、お父さんが亡くなる時に入院していた病室の天井が、機能を重視して殺風景な感じだったため、ホスピタル・イン・アートを始めようと思ったのだとか。
https://www.yurindo.co.jp/yurin/3438
わたしも「Art in Hospital スウェーデンを旅して」を読んだ後、そういえば、父が亡くなった病室もそんな感じで、もっと楽しい要素があったら良かったのに、と思いました。
日本の中で、この病院いいな、と思ったのは、四国のこの病院です。
欧米の方が、ホスピタルアートは、充実している気がします。
おそらく、アートや色が患者さんに及ぼす影響を理解しているからではないでしょうか。
もし、重い症状の患者さんだったとしても、生きる希望が湧けば、今はつらいけれど頑張ってみよう、と思うのではないでしょうか。
病院に入院する患者さんの心に効くのはアートだと思いますが、体や本能に効くのは食だと思います。
入院患者にとって最も重要なのは食だと思いますが、塩分控えめの健康食で、入院中ほとんど食事を食べられなかった経験があります。
ちなみに、その時は腰椎圧迫骨折で整形外科に入院していました。
骨折は血圧とまったく関係ないので、もっとおいしい食事がしたい、と正直思いました。
亡くなる前に好物を食べたいという方も多いと思いますが、出前や持ち込みをしてもよいかどうかは、病院の判断によるのかもしれません。
ある程度、治療をやり尽くした場合、好物をレストランとかで頼んでもらえるシステムがあると良いな、と思います。
2020年に入院した病院は、病院内にレストランがあったので、患者さんも食べにいけそうな感じでした。
そのレストランは、通院患者だけでなく、一般の人でも利用可能で、評判が良さそうでした。
そこの病院食はかなりおいしく、ほぼたいらげてしまいました。(その時は、婦人科関連で入院しました)
入院費用も前の病院よりも高かった分、サービスが良かったのかもしれません。
他に、病院にあったら良いな、と思ったのが、おもいっきり泣ける部屋です。
なかなか難しいかもしれませんが、わたしは父が亡くなる前日に、病院の非常階段で1人で隠れて号泣していました。
その非常階段は、下の方の階はお医者さんが移動用に利用していましたが、屋上の方までは誰も来なかったため、今までのことを思い出しながら、号泣することができました。
可能ならば、防音ルームが何個か置かれていると、救われる人がいるんじゃないかな、と思います。
家族が亡くなった後、ぽっかり穴が開いたようになって、うつ状態になる方もいるようですが、誰かに心の内を打ち明けたり、泣いたりすれば、感情を引きずることが多少緩和される気がします。
アルフォンス・デーケンさんの死生学を学んだ方やエリザベス・キューブラー・ロスの「ライフ・レッスン」に出てくる清掃作業員のような方が、患者さんや患者さんの家族のためにいてくれると、助かるなと思います。
家族もはじめてのことで、心がなかなか追いつかない部分もありますので。
可能ならば、病院を退院した後にも相談に行けるサービスがあると良いなと思います。
この前Netflixで見たフランスのドラマでは、患者さんとボードゲームで遊びながら会話もしてくれる女性が登場していました。
日本でも何ヶ所か、将棋や囲碁などを患者さんと対戦してくれるボランティアさんがいる病院はあるようです。
テレビくらいしか楽しみがない病院が多いので、そういうサービスがあると、患者さんも張り合いが出るのではないでしょうか。
さて、これまでは入院患者さんの視点で考えてきましたが、これからはそれ以外の人も病院に行きたくなる仕組みを考えてみました。
神奈川県では「未病」の段階で体を良くしていこうという取り組みをしていて、BIOTOPIAという施設があります。
館内には、体に良い食材を販売するマルシェや地元食材を主に使ったレストラン、森林セラピーができる森、オートキャンプ場などがあります。
病院は営利目的なことはできないようですが、こういった施設の一角に病院があれば、一般の人も訪ねやすいのではないでしょうか。
日頃から通いたくなる施設であれば、自然と健康に関心を持ってもらえるような気がします。
森林セラピーに関しては、アーシングも兼ねて、裸足で歩ける道があったら良いのにな、と思います。
ドイツでは、裸足専用の道がいくつかあるようです。
アーシングは体にたまった電気を抜くという健康法です。
敷地内に田んぼも作れば、田植え体験することで、アーシングもできます。
また、敷地内にイングリッシュガーデンを造り、退院した患者さんがリハビリ代わりに庭仕事するのも良いかな、と思います。
芝生で裸足になってピクニックもいいですね。
宿泊施設ということでは、三鷹天命反転住宅のような、滞在することで体が鍛えられるような施設もあると楽しいなと思います。
高齢の方にはバリアフリーこそ良い、とされていましたが、あまり楽をし過ぎると、身体が退化するのではないでしょうか。
若いうちからこういう不安定な場所で暮らすことで、野生の勘を取り戻すことができるんじゃないかなと考えています。
他に、一般の方も楽しめる太極拳や芸術療法などの習い事もできる施設があると良いなと思います。
土を使うためアーシング効果が見込める陶芸や体にも良いお茶の教室などもあると良いかもしれません。
ペットセラピーも兼ねて、ミニ動物園があったり、乗馬も楽しむことができたりしたら良いな、とも思います。
わたしは健康のため、足つぼマットを使っていますが、たまに公園にある健康歩道も、この施設にあると良いなと思います。
他に、屋内にスパ施設やプールを作って、タラソテラピーや水中ウォーキングなどををするのも良いかもしれません。
健康に関する本を主に集めた図書館&カフェもあるといいですね。(心に効く絵本や小説、エッセーなどもラインナップに含めます)
かなり大規模な施設になりそうですが、このような施設を造ることで、自分の健康を人まかせにせず、楽しみながら健康に気を付ける人が増えていってくれることを望みます。