何もしていないは嘘。スタイルキープの本当のところ
モデルをやっていると、「モデルさんってどうやってスタイルキープしているの?」という質問をよく頂きます。業種の異なる方から、いわゆる業界人と言われるスタイリストやヘアメイク、編集者の方まで、モデルに対する質問は圧倒的にこれが多いです。
私なんかは、現場で出るお弁当をよく食べるし、甘いものもつまんだりするので、その様子から"このモデル、すごい食べてるけど…"と、聞きたくなるのかもしれません。
「何かしているの?」
そう言われると、決まって「特には(何も)…」と答えるのですが。だからと言って、モデルという職業のために何もやっていない/いなかったわけではなくて。ただ、「これが私のスタイルキープ術です!」と胸を張って言える絶対的なものがないのです。
考えてみたところ、何かをピンポイントでやっているというよりは、生活全体がモデルという職業を意識したものになっているのかな、と。やり始めは特別だったことが今となっては習慣になり、もはや”やっている”感なく生活に溶け込んでいるのだと思います。
何もやってないはずないのに教えてくれない!と思う人、逆に、何もやらなくてもその体型なんだと誤解されてもどかしい思いをしたモデル、色々な立場の人があらゆる方向から気になっているようだったので、この記事を書くことにしました。
ということで今回は、私がモデルになってからスタートした生活習慣などなど(現時点でやっていて、スタイルキープに繋がるもの以外も)を、気がついた範囲で書き出してみます!
◆モデルを始めて変わった生活習慣
以下、思い出した順です。
・毎朝コップ1杯の白湯を飲む
・寝る4時間前に夕飯を食べ終わる
・コーヒーを飲むのは午後2時まで
・保湿に力を入れる
・清潔な手で顔を触る
・飛行機など長時間座ることがあるときのむくみ対策
・夜にラーメンを食べない
・夜は炭水化物は摂らないor控えめにする
・顔も体も毎日鏡で見るようにする
・脚を組まない、脚を閉じる
・週2日ダンスレッスンに行く
・食べる順番を気にかける
・体を冷やすものはなるべくお昼までに食べる
・冷房の効いた部屋で冷たいものを飲まない
・夜は湯船に浸かる
・休みの日もメイクする
・よく歩く。大股早歩き
・飲み物は基本、水
・甘いものをストックしない
・洗い物のときにゴム手袋をする
・食べすぎたら3日間で調整をはかる
思い出せる限り…こんなところでしょうか。案外、やってることあった…!
こうして見てみると、消化を良くすることと体を温めること、体の歪みをなくすことに重点を置いているのがわかります。私も、書き出してみて初めて気がつきました。
ちなみにこれらの項目は、身近な人に教えてもらったものばかり。誰から影響を受けているのか、それを始めるに至った理由も含めて、ここからは詳しく説明します(一部、説明の必要がないものは省きます)。
◎毎朝コップ一杯の白湯を飲む
今の事務所に所属したときに、社長に教えてもらい、その時からずっと続けています。以前書いた記事があるので、良ければぜひこちらも覗いてみてください。
◎寝る4時間前に夕飯を食べ終わる
数年前、副社長に教えてもらいました。4時間前に済ませると、寝る頃にはほとんど消化作業が終わり、お腹の中が空っぽになるため、就寝中にきちんと消化器官を休めることができ、質の良い睡眠をとることに繋がるそう。
最初に聞いたときは、お腹が空いて寝れなれなくなるんじゃないかな…と思っていましたが、そんな心配は無用でした!むしろ、明日の朝食は何食べようかな〜とわくわくしながら寝るように笑
仕事が遅かったりすると、予定通りにできない日もありますが、食事と就寝の時間を空けることに関してはだいぶ意識するようになりました。
◎コーヒーを飲むのは午後2時まで
これ以降に飲むと、(私は)夜の寝つきが悪くなります。。
◎清潔な手で顔を触る
7つ年下のとっても肌が綺麗な子(いわゆる卵肌ってやつです)に、スキンケアで何か意識していることはある?と聞いたときに返ってきた答えがこれ。
携帯等を触った雑菌のついた手でむやみに顔に触れない。たったこれだけのことですが、もうずっと意識しています。慣れるまでは中々難しいんですけどね。。
◎飛行機などの長時間座ることがあるときのむくみ対策
東京から長時間のフライトをすることが増え、身についた習慣。
移動先ですぐに撮影やオーディションが待っていることがあるので、長時間の移動で脚がむくまないように対策しています。
何時間も水分補給を怠ると体や肌が乾燥してしまうので、私の場合、長時間フライトでは必ず1ℓ以上の水を飲みます。けれどそのままでは、足裏に余分な水分が溜まってむくんでしまう…
そんな時によく使っているのが、貼るだけで水分を吸収してくれる、木酢樹液シート。NYに向かう13時間フライトのときは、後半の数時間に貼って寝るだけでむくみがほとんどないです。
以前は着圧ソックスを履いていましたが、脱ぎ着の面で手間だったのもあり、数年前からシートに切り替えました。同じく長時間移動をするスタイリストさんに教えてもらいました。
あとは、足の裏を刺激するコロコロ(携帯用のフットマッサージローラー)を常に足元に置いてるかな。
◎夜にラーメンを食べない
新人のときに、何も考えず、夜ご飯に塩ラーメンを食べに行ったことがあります。でも実はその翌日が、事務所で採寸(体の全てを計測されるという恐ろしい行事)の日だったのです。。。
モデルをするまでは、塩分でむくむことなんて一切知らずに(考えずに)、好きなものを好きなときに食べていたので、このときも採寸のことなんて頭の片隅にあったくらいで、特に気にかけていませんでした。
当時の私には「太ももを細くする」という課題があったのですが、結果はもちろん、前回計ったときよりも太くなっていて…しかも、ちょっと衝撃を受けるくらいでした。
むくみだけではなく、単純に太っていただけなのかもしれませんが、その日以来、夜ラーメンには異様なほどの恐怖を覚えています笑。昼ラーメンも、年に数回食べるかどうかになりました。
◎夜は炭水化物は摂らないor控えめにする
消化を早くするため、仕事などで疲れ切っているとき以外は、炭水化物を摂らないようにしていました(現在は体の肉づきを見ながら、少量を食べるようにしています!)。その代わりに、朝とお昼にはがっつり食べます。
特に海外のコレクションを受けるようになってから、より細さが求められたため、この食事の仕方にシフトしていきました。始めた当初は細くなるためにやり始めましたが、体を軽く心地よく過ごせる感覚を知り、細さが求められなくとも、段々とこれが当たり前になっていきました。
◎顔も体も毎日鏡で見るようにする
肌の調子はどうか、体のラインはどうか、毎日鏡で見て触り、日々どこが変化しているのか、何が必要なのかを把握できるようにしています。
◎脚を組まない、脚を閉じる
脚を組むと骨盤が歪む、と聞いたことがあるので、それ以来気をつけています。撮影になると、ちょっとした体のズレが写真に大きく写ってしまいます。とはいえ、その歪みを完璧に直すことも難しい。できるだけ歪まないように気をつけながら、同時に、自分の体のどこがどう傾いているのか知っておくことで、ポージングでカバーすることもできます。
つい脚を組みがちですが、「あ、またやってる!」と思ったときにやめるだけでも、だいぶ違ってきます。
ちなみに脚を閉じることで、太ももの内側にある内転筋が鍛えられて脚が締まるので、これも気づいたときに意識するようにしています(電車で座ったときとか!)。
◎週2日ダンスレッスンに行く
学生の頃は週6〜7日でダンスをしていました。けれど、モデルを目指すことになったとき、お世話になっていたダンスの先生に相談し、脚についている筋肉を一旦無くすという目的のために、やめる決断をしました。
そこから5年、ひたすらモデル体型を作ることに専念。その中で、自分はジムに行くことが苦手だと知ったり、家でトレーニングするも長く続かなかったり。せっかく作った体型をどうやって維持しようかと思ったときに、再びダンスというキーワードが上がってきました。
学生の頃のようにはいかないけれど、週2日、大好きなダンスに触れることで、心身ともに安定するようになりました。再開してからもう5年ほど続いています。
◎食べる順番を気にかける
これも、社長に言われてからずっと意識していることの一つ。消化しやすい食材から体に入れる。スープ→野菜→肉・魚→炭水化物。ざっくりとですがこの順番を守るようにしています。
◎体を冷やすものはなるべくお昼までに食べる
◎冷房の効いた部屋では冷たいものを飲まない
◎夜は湯船に浸かる
体を冷やすと血行が悪くなり、老廃物も溜まりやすくなるため、なるべく冷やさないことを心がけています。特に夜はあたためるようにし、生野菜のなどの体を冷やす食べ物は、出来るだけお昼までに食べてしまうようにします。
◎休みの日もメイクする
実は、撮影でしっかりメイクをされている反動なのか、普段はナチュラルメイクだったりノーメイクのことが多いです。ただ、"今日はノーメイクでいっかぁ"と思ってしまうと、スキンケアやUVケアも怠ってしまう私。。肌を休めているはずなのに、荒れてしまうことが多々ありました。なので、最近はお休みの日でも軽くメイクをするようにしています。
◎よく歩く。大股早歩き
これはNYのファッションウィークに出るようになってから心がけるようになったこと!
痩せるには、歩くのが1番!と当時のマネージャーに喝を入れられた私。実際に、その時期が来ると1日に何本ものキャスティングが入り、NY市内を縦横無尽に歩き回るので、自然に痩せていきます。。
また、キャスティングでは"strong!""faster!faster!"と声がけされながら歩くことが多く(その年によって求められる歩き方は違ってきますが)、みんな物凄い速さで歩く。そして1歩が大きいから、勢いがよく見える。当時の私は、その勢いについていくことが中々に難しく、やりづらさを感じていました。
そんなある日、同じ事務所のブラジル人モデルの子にキャスティング終わりに遭い、住んでいたモデルアパートまで一緒に帰ることが。横に並んで歩こうとした刹那、彼女が物凄い速さで前進していった…!”わ!すごい早歩き!!”と慌ててこちらもギアを上げました。彼女にとってはその速さが通常運転のようで、本人は楽しそうにお喋りしながら歩いていました。
この時に、私も普段から彼女のような歩き方をしていれば、キャスティングで怯まなくて済むかもしれない…!と、”大股早歩き”を意識するように。
その後、手脚が長く身長も180cmを越えている彼女のようなモデルとオーディションで会っても、遅れずについていけるようになりました。未だにショーのフィナーレでは、置いてけぼりにならないように…!と気合は入れますけどね笑
◎甘いものをストックしない
甘いものが元々大好き。あればあるだけ食べてしまうので、その日食べる分しか買いません。袋にたくさん入っているものは、極力買いません。
食べすぎないようにしているのは、太るからというよりは、肌が荒れるから。ナッツなどで肌に良しとされるものも、食べすぎてニキビを作ったりするので、食べても現場で数粒にとどめています。
◎洗い物のときにゴム手袋をする
これは、仲のいいハンドモデルがやっていたことから習慣になったもの。
ハンドモデル単独のお仕事とまではいかないまでも、ビューティー撮影が多く、現場でいきなり手元だけのカットも求められる機会もあります。手荒れをしたくない、かと言って洗い物をしないわけにもいかないので、食器洗いやお風呂洗いなどの洗剤をつけるときは、必ずゴム手袋をつけるようにし、手に直接触れないようにしています。
以上!気がつくと、モデルになってから、様々なことが新しい習慣として加わっていました。意外とやっている?やっていない?色々と感想はあるかもしれませんが、今の私を作ってきた習慣はこれくらいのようです。
同じように、みんな習慣化されているだけで、何も気にせずに体型が整っているモデルは、ほとんどいないんじゃないかな。少なくとも私は、そんなラッキーな人に出会ったことはないです。周りのモデル仲間に聞く限り、みんなそれぞれにコンプレックスがあって、日々それに向き合って試行錯誤しています。モデルって意外に大変だなぁ!
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最後まで読んでくださってありがとうございました。”特別なことは何もやっていない”と言ってしまうモデルたちの実際のところが、私という一モデルを通して少しでも垣間見えたなら嬉しく思います。
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