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リノベーション図のおしごと①

こんにちは、amisanです。
ハウスメーカーのリフォーム部で設計担当をしています。
今回は木造住宅のリノベーションのおしごとについて書いていきます。
リノベーションとは柱や梁などの基本構造体は扱わず、設備の更新から間取りの変更で生活スタイルの変化に合わせる改装工事です。

・既存図の復元

既存図とは今ある家のそのままの状態がわかる設計図のことです。
30年以内の建物なら、新築したときの図面がある事もありますが、だいたい行方不明になっているか、薄くて見えないか、存在しない事が多いです。

既存図がない場合、現地に行きザーーーーっと測って写真をとり、
手描きで持ち帰り、PCで図面データの作り直しをします。(現地調査の事)
あまり時間をかけるとお待たせしてしまうのでタイムリミットは1時間程。
今回はラッキーなことに、図面が存在したので、そちらの設計図をCADでデータ化再作成しました。

・屋根伏せ図から床伏図や小屋伏図の検討

既存図をもとに、Googleアースを使って屋根伏せ図を手描きします。
屋根伏せ図や2階平面図をもとに床伏図(1階の天井裏の構造部分)、小屋伏図(2階の天井裏の構造部分)を予想します。
あくまでも予想ですが、何のために予想するかというと、間取りの変更を考えるときに絶対に動かせない『柱』や『耐力部』や『梁』についておよその状態を知っておくためです。

リノベーションはゼロから建てる新築と違い、すでに存在している箱の中で変化させていく。といいう作業が必要です。コスト的には新築よりもおさえられるけども、新築のように自由が利くというわけではないのです。

特にその自由を阻むのが構造体、『柱』や『耐力部』や『梁』。
完成したら新築のようにきれいになる、けども、希望通りの事がすべてかなうわけではなく、変なところに柱が出ない創意工夫が求められます。

・提案プランの検討

お客様から伺った希望内容と、柱や梁や構造部、基礎や屋外の設備関係、家事同線や利便性、家のうちとそとの見え方、法的なところもろもろを考えながらどんな暮らしいいのかな~なんて考えながら、頭の中に3D映像を作りながら考えています。

基本的には窓の位置も変えないように。窓の位置を変えると外壁を扱う事になり、外壁を部分的に改造したり外装材が追加になったりとコストがプラスでかかるからです。

手描きで間取りパズルをしている感じ。なのは私だけかもしれませんが。
ゼロから作るのも大変だけど、あるものの範囲で最適なものを、というのもとても頭を使います。

予算があれば。
新築と同じような事は結構できますが、新築と同じ事をすればもちろん、新築と変わらない金額になっていき、そしたらリノベーションじゃなくて新築のほうがいいんじゃ・・・?となる事も多いです。

・パース(3D)の作成~CAD図(2D)の作成

手描きのプランを営業さんに見てもらって、現場監督にもこんな感じで行こうと思うけど、いいかな~?と見てもらい。
お客様用にパースソフトを使ってパースを作ります。
平面図では30%伝わればいいほうだと思っています。
それくらい、平面図ではわからないのが普通なのです。平面図から立体的な3Dが頭の中で想像できるのは鍛錬のたまものだ。くらいに思っています。

パースをつくってみてもらうと、お客様だけでなく、営業さんや現場監督、現場で作業してくれる職人さんにも共通の認識が可能です。

共通認識がとても大事だという事について、別のnoteでかこうと思いますが、今勉強中のBIMにつながります。

自分の頭の中にある3Dをパースという画像でアウトプットできたら、実際ちょっとおかしいところが見えてきたりします。

パースを作ったあとにCAD図で図面をつくるとさらに、おやおや?なところを発見したりします。ここはこんなに広くていいのか?これで家電の入れ替えの時困らないか?などなど、実際に生活していくうえで出てきそうな細かい事が気になりだします。

前述のように今ある箱のなかでの変化、なので細かい事も許容範囲まで詰めてからの提案をしなくては・・・と思っています。

これで一通りの提案図が完成です。

・まとめ

きっと正しい順番は、
①現地調査・ヒアリング
②現況図
③検討
④プラン作成
④提案書類作成・見積積算
という感じになるんじゃないかなと思います。

会社ごとできっと順序やすること違うんだろうなーと思います。
また、ケースバイケースで動き方や考え方は変わる事はあります。
構造がRC造だったり、マンションだったりするとCAD図とパースが前後したり、詳細詰めても無駄足だったり、結局は解体してみないとわからないことの方が多かった!ということもよくある事だと感じています。

できなくてあきらめる、じゃなく、できないけどこうだったら楽しめる!と発想を変えられる提案ができるようこれからも脳内ストックを増やして仕事をしていきたいと思います。

今回は仕事についてのおはなしでした。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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