【読書】文学の嗜好について
昨日2023.1.5木の須川氏との楽しい談話のあと、近年の自分の嗜好(文学作品などへの)についてもあれこれ考えた。
フォースターの『インドへの道』や、フォークナーの『熊』『アブサロム、アブサロム!』『響きと怒り』など。最近ではモームの『雨』『パーティの前に』など。(『インドへの道』はちくま文庫の古本で読んだが、今チェックしたら、なんと河出文庫で去年新しいのが出てる! 訳者が違うから、こっち買ってもっかい読むか…。)
植民地における災禍(性的なヒステリー)や土着的まがごと。それが多くの場合、声の多重録音ポリフォニーで展開する。(全体に相当エグい。)
コントロールできないもの(無慈悲な外部である自然、内部から暴発する自然たる狂気や欲望)に滅多打ち・滅多切りにされてひどい死に方をする人間と、無惨な体(てい)で生き続ける人間。(むかし好んで読んだドストエフスキーもそうかな。)その無惨さのアラベスクに美と陶酔がある(変態。)
(はっ、こどものころジョージ秋山の漫画で覚えた感覚と似てるかも。今気づいた。)
植民地の無惨と言えば、『テンペスト』のキャリバンなども。それにしても植民地系に興味が向くのは、北海道が植民地だからかな。
https://note.com/amenotorifune/n/nefc316b5a652
一方で、堀江敏幸さんの作品が好きなのは、また別のラインの自分。軽やかで詩的で知的で、温かなものへのあこがれめいて。フランシス・ジャムとか。嗜好は多重人格ですね。