作品の宛名。創作の矢印。5年後を想う。
作品の宛名
最近の僕は、宛名のない表現をする事が出来なくなったみたいだ。ずっと自分に向けて表現や創作をしてきたけれど、ここに来てそれも終わった。だから少しの間創作から離れていたけれど、やっぱり15年も書き続けてたら辞められない。
じゃあ、自分の創作はどこに向かうんだろう。どこかからの帰り道、そんなことをぼんやり考えながら歩いていた。
「あぁそっか、君に向けて書くんだ」
思い返せばこの半年。ずっと誰かに向けて創る練習をしていた気がする。その時の自分には全身全霊死ぬ気で君に向けて創っているけれど、それでも自分の中の大きな軸には「創作は自分に向けて」があったから。
そして少しずつ、君へ向けて、そして君たちに向けて創作を重ね、やがて大きく育った。今や大きな軸。だから僕は、君に全てを届けるよ。
僕の最近のテーマは「pride」と「秘密」。僕の直感は一貫するから、きっと何か問いかけている事があるんだと思う。二つに通底する何かが、きっとある。
近頃、僕はとても美しいプライドを見た。あれは驕りではなくて誇りだったと思う。誇りを持って選択をする。外からどう見えるかなんて関係ない。己の選択に君という香りを纏わせたら、それは誇りだ。美しいプライドだと思った。5年後の僕はあんなプライドを持てているだろうか。
秘密について、語り合った。秘密を持つのは、実は難しい。秘密を秘密にしておく事は、不可能ではないかと思う。なぜなら、たとえ口にしなくとも、その誰かが君を見れば、きっとその存在に気付くから。全身の機微にまで気を配って、その秘密の存在すら感知されないようにするのは、とてつもない胆力が必要になると思う。
けれど感知すらされないほどの秘密を持つ事は、とても美しい。それこそ、きっと強烈なプライドが必要なんだと思う。秘密があることを秘密にする。それを完遂出来る程の美しさに、僕は憧れた。
宛名と秘密。君へ。
宛名を持つ事。君がいる事。届ける事。
秘密を共有する事。世界環を伝える事。
世界を拒絶しないこと。
けれど場を持っておくこと。
それが自分のプライドだと、今は思う。
もし君が、僕の世界の入り口を望んだ時があれば。
だから僕は、その入り口をここに置いておきたい。
そして僕は、君に望まれる事を望んでる。
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