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【レポ】note創作ブートキャンプに参加してきました

少し時間が経ってしまいましたが、8月26日に参加したnote主催のイベント「創作ブートキャンプ」のレポや感想を書いてみようと思います。
この日はオンライン創作会「テレッテレー」の開催日でもあり、朝起きて創作活動をしてから四ツ谷のnote placeに移動しての参加でした。ヘッダはその時のスケジュール表から抜粋。

note placeの入り口に掲示されていたもの

概要としては、「なろう小説」で売れっ子作家である日向夏さん、馬場翁さん、そして「WHITE ALBUM2」「冴えない彼女の育てかた」等美少女系コンテンツの大御所である丸戸史明さんをゲストに迎え、萩原さんという敏腕編集者の方がMCを務めるというものでした。テーマは「キャラクターの生み出し方・動かし方」。
これまでIP物に長く携わり、キャラクターを1から生み出すのは今年に入ってから久々に行っていることだったのでコツなどを知れたらと思い参加しようと思ったわけです。

①キャラクター/ストーリー/設定 のどれから作り始めるのか

日向さん:キャラクターから。
「薬屋のひとりごと」は元々は炭鉱の元娼婦(子持ち)を主役にしたものだったが、あまりにも大人っぽいかも、ということで舞台を後宮に据え、キャラたちを若く設定しなおした。
書きたいキャラクターが先にあり、設定にあわせて世界観をずらす。

馬場さん:ストーリーから。
まずストーリーが最初から最後まで全部頭の中にある。ストーリーに合うキャラクターをその後に作っていく。(萩原さんいわく、異例とのこと)
この方法は一般的にはキャラクターがコマになりがちだけど…という話は後述。

丸戸さん:エロゲ時代にはヒロインから。それ以外では主人公から。
まず主役(ヒロインor主人公)を据え、そこから対比や関係性を作って他のキャラクターを考えていく。

⇒私の場合、丸戸さんのように主人公やヒロインから作っていくか、もしくは馬場さんのようにストーリーを終わりまで考えてそこに当てはめるというのが近いのかも、と思いました。とはいえ最近書いた小説はあえて没個性な登場人物に振り切り世界観を凝ったりしたので、キャラクター小説というのを書いてみたいな、と思いながら聞いていました。

②キャラクターを生み出すとっかかりとは?

丸戸さん:
・流行っているものからインスピレーションを受ける
・自分の中に眠っているもの
・好きな属性/性癖
 └これを「売れ路線」と組み合わせる
・丸戸さん「大ヒットする性癖を持とう!」

馬場さん:ストーリーが先にあるのでどんなキャラクターがストーリーに沿って動いてくれるのかを考える。コマになりやすいというのは自分にとっては信じられない。というのも、大前提で「キャラは生きている」。キャラブレというのも起こらない。成長や変化を作中で描写、イベント化すればいい。

日向さん:自分が好みっぽいマンガを寝る前に40冊くらい読み、夢に出てきたり次の日の朝に覚えているキャラを主人公にする。
⇒萩原さん「マッチョなやり方すぎる」
・脇役には「主人公がやらないことをやる人」を入れて物語を動かす
・ジャンプやサンデーなどのコミックスに挟まっている紙を見て、そこから「ミリしら」でキャラクターを作ってみる。映画のポスターを見て妄想してストーリーを考えるなどをする
⇒萩原さん「マッチョだ」

⇒日向さんのマッチョなやり方に笑いつつ、たしかにやってみたいなぁと思ってしまいました。マンガを吸収しまくって夢に出てきたキャラをフューチャーする、かなりマッチョですけどやってみる価値はありそう。
「ミリしらでキャラ(ストーリー)を作る」もアリだとは思うのですが、ちょっと自分の意に反するかなと思うのでそれは保留。
馬場さんの「キャラは生きているからブレはしない、成長や変化はする」という理論については大納得しました。私もIP物/オリジナル問わず、キャラたちにはそれまで生きてきた人生があり、心があり、生きているというのを忘れず執筆するようにしています。

③キャラクターがうまく動かない…

馬場さん:そんなことはありえない(生きているから)

丸戸さん:そのキャラが好きじゃないのでは?
「抱きしめたい」「酷い目にあわせたい」などの「衝動」があるかどうか。もっと好きになるか、嫌いになるか、そのキャラについて愛を深めれば動かないことなんてない。

日向さん:「なろう思考」があると、そんなことは起こらないかな…
※なろう思考とは、Web上で連載していると数日更新が遅れるだけで読者の人から「遅い」と思われてしまうため、毎日数行でも書く、書いた後に修正を入れればいい、という思考がついた、とのこと。
「面白くなくても書く」を習慣にすると、動かないなんてことはない、とのこと。

⇒「なろう思考」を初めて知ったので目からウロコでした。丸戸さんも「そんなやり方があるんだ・・・」とおっしゃっていたのですが、丸戸さんに同意(&ゲーム業界だとそんなことはありえないので…)。なろう小説など、Web媒体で小説を連載したことがないので、知らない世界でした。丸戸さん「そんな工程が踏めるんだね」とおっしゃっていて、同意。
とはいえ、「面白くなくても、数行でも、毎日書くのを習慣にする」というのは真似したいと思いました。

④「いいキャラクター」の条件とは?

丸戸さん:「どうにかしたい」衝動を持てるキャラ。
売れ路線/どうにかしたい、は4:6くらいの比率で作っていくと「いいキャラクター」になるのでは。
衝動については主役に限らずどのキャラに対してもそう思えるようにする。

馬場さん:自分の好き嫌いを入れるよりは「どんなシーンをやってほしい」か。例えば、死に際に輝くキャラが好み。エモいシーンをこのキャラにさせよう、と考えて作る。

日向さん:マイナス要素を、うざくない程度に入れる。たとえば「たらし」な脇役など。

⇒丸戸さんの「衝動」論についてはかなり参考になります。確かに、どうにかしたい!と思って愛をこめて動かすのはとても大事。
馬場さんの「エモいシーンにキャラを当てはめる」も参考になりました。そのキャラの見せ場を先に考えて、そこから人物造形をしていくっていうのはいいな。

質疑応答①「書きたいキャラと、読者や編集者から見て魅力的なキャラが食い違う気がしてしまう。どうしたらいいか」

これ、私が送った質問でした!!嬉しい!!

丸戸さん:自分の趣味とトレンドを組み合わせる。ウケるかどうかはやってみないとわからない。「好き」を詰め込めばいい。

萩原さん:編集者意見としては、Goサインを出す指標にしているのは打ち合わせ中にそのキャラについて雑談が盛り上がる時。「このキャラ、ラーメンだと塩が好みそう」などなど具体的なことを想像し、「そうですよね!」と作者さんと盛り上がると、これはいけるな、となる。

⇒こちら、萩原さんの回答がとてもしっくり来て嬉しかったです。私もよく打ち合わせでキャラについての好みや思考回路などの雑談をすることが多かったので。今後、もし編集さんと作品づくりをする機会があればキャラについての雑談はぜひしてみたい。

質疑応答②「ストーリーがブレたら」

・ブレてもリカバリーする。設定にこだわりすぎが原因な気がする。「生きている」というのを忘れるからそうなる。
・チューニングを怠るな。
・小道具を使ってもとに戻す。主人公との接点のあるアイテムを出して物語を動かす。
・伏線っぽいのをばらまいておくと、その後回収できる。

⇒こちらメモ書きがこれだけしかなく…。とにかく作家さんそれぞれのリカバリー方法があるということで参考になりました。

質疑応答③「身近な人をモデルにするのではなく、リアルな人物像を作るには」

・人ではなく犬か猫で想像して擬人化する
・日々の情報に「関連づけ」をするクセをつける。「引き出しが少ない」なんてことはない。日々、タグづけして仕舞うクセをつけておけばいい
・他人の作品に触れた時に「自分ならこうする」と考えるクセをつける
・クソ作品だったときには怒りをバネに「オレならこうするのに!」と考える

⇒これも色々もっと話されていたと思うのですがメモ書きがこれだけで…!「自分ならこうする」はいい思考の訓練になりそうなので真似しようと思いました。

その他

・銀英伝の各キャラエピソードはいいぞ
 └キャラクター造形の宝庫だ!皆、銀英伝を見るべき
・日向さん:キャラクターが読みそうな本をたくさん読んで、そのキャラを理解するようにしている(萩原さん「マッチョだ!」)
・馬場さん:人外のキャラは「喋るか/喋らないか」、「姿を変えるか/そのままか」で分岐がある。どっちがエモいかで考える。
 └萩原さん:獣人、としか本文に記載のないときにしっかりケモノなのか、けもみみが生えた人間っぽいのかで相当議論になるし、ファンの人から怒られたりもする…
・書くことを「ご褒美」「逃げ場所」にしたほうがいい。義務になるとつまらないしモチベも下がってしまう。これは専業になればなおさら。
・「10行を毎日続ける」のがいい
・「最後まで書きたい」というモチベを持って作品に接する
・読者からドン引きされそうな描写などについては書いていて「ハッ」と我に返る瞬間を大切にする。だいたいそこが線引きになる。

⇒メモに走り書きしてあったのがこちらです。
私も専業なので、書くことをご褒美にするという考え方は見習いたい。

現場でも質疑応答をいくつかしてくださったのですが、全部MCの萩原さんから死角の位置に座っていたからなのかスルーされてしまい、涙
その後、交流会(と言いながら皆さん萩原さんのところへ集っていた)で萩原さんとお話しできて解決できました。

売れっ子作家さんたちの話を聞けて良かったのは大前提として、作家さんどれもが個性的すぎるというか、そもそもイベントの趣旨が「講義ではない」というのもあり、「学び」までいかないこの距離感が良かったなと感じています。反対に、がっつり「学びの場」になったらどんな話が聞けるんだろうかという好奇心も刺激されました。

「創作ブートキャンプ」は今後も定期的に開催されるということで、また日程が合えば積極的に参加したいと思いました。

私もキャラクター造形をしっかりできるようになりたい!!と強く思い、刺激を受けることができたイベントでした。

余談:会場の出口付近で日経MJさんの記者さんから軽くインタビューを受けました。日経MJさんといえば、私のお友達が最近掲載された媒体。その話でしばらく盛り上がり楽しかったです。世間は狭い…!!

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