(パーティー会場。30歳の記念に久しぶりにみんなで集まっている。) 平井・久しぶり! 林・久しぶり! 平井・幸せ太りか。最近結婚してたよな? 林・あ。離婚した。 平井・あ…ごめん。 林・全然気にしてないから。 平井・失恋のショックでめちゃめちゃ食べた感じ。 林・いや、俺今マジシャンやってて。 平井・あ。そうなんだ。 林・それで増量してるんだよね。 平井・え…なんで? 林・いやー太ってる方が隠しやすいからさ。(お腹からフォークを取り出す) 平井・すごー
(額縁をヤスリで綺麗にしている青年トキマサ) トキマサ・よし、これでいい。 ナレーション・この男トキマサは縁神様を信じていた。縁に神様がやどっていると。縁を大切にすればいいご縁があるということを信じて疑っていなかった。そんなトキマサの前に誰かがやってきた。 謎の男・はじめまして。トキマサ様… トキマサ・なんだこいつー! (トキマサが謎の男の顔をヤスリで削り始める) ナレーション・トキマサはギザギザしたものが許せない。縁は何でも綺麗にしたいのだ。この男の顔はあまりに
(真夜中。自宅。) SE・グー(お腹の音) 青年・何も食べてなかったな。 (ビニール袋に入ったカップヌードルを手に取る) 青年・食べるか… (電気ケトルでお湯を沸かそうとする) 青年・あれ… (電気ケトルがつかない。) 青年・壊れてるな… 青年・やかんでやってみるか。 (やかんを手に取る) 青年・全然使ってなかったな… (やかんでお湯を沸かす) やかん・ピーピー… 青年・おっ。沸いたかな。 やかん・ピーピーピーポーピーポー… 青年・え… ナレ
(散歩している高校生トーマ。) トーマ・あっ!(石につまづく) (蹴られた石が湖に落ちる。) トーマ・いてて…え!? (起き上がると目の前の湖が浮いている。) (水の塊の状態でふわふわしている。) トーマ・う、浮いてる…あ…(元あった湖の場所は大きな穴ぼこに) (水の塊に近づくトーマ) (水の塊に触れる) ナレーション・大洪水
(百貨店の検温機の前でピースをしている少年を見かける) 青年・なんでピースしてるんだろ… (検温機が顔ではなくピースに温度を表示している。) 青年・え? (思わず検温機に映る顔を隠す。) (検温機が割れる。) SE・パリーン 少年・あ…ピースしてるの変でした? 青年・いや、ごめん。そういうわけでは。 少年・まあ、見なかったことにしてください。 (少年のピースの間から指が生えてくる。) 少年・僕、この世界の者じゃないので。
(公園のバスケットコートで1人ドリブルしている青年) 青年 語り・殺風景だよ。この街は。 青年・俺が盛り上げてやんよ!!(ダンクシュートする) (ゴールが決まった瞬間街中が大爆発) SE・ボボボボボーン!!(大爆発音)
(森の茂みに古びた蛇口が。) 青年・こんなところに… 青年・誰が使うんだこれ… (蛇口をひねるが水は出てこない) 青年・使われてないのか… (大量の星が降ってくる) 青年・わー!!!! (星がぶつかりビリビリする。)
(会場に集められた参加者150人) 司会・マリトッツォをもぎとっつぉー!!! 参加者・おー!! 司会・こちらのガラスケースをご覧ください。 (黒布をとると光り輝くマリトッツォが) 司会・初めてみる方も多いのではないでしょうか?光り輝く伝説のマリトッツォ。今回は参加者の皆さんにこの伝説のマリトッツォを手に入れていただきたい。さあ、マリトッツォをもぎとっつぉする準備はいいかー!! 参加者・おー!! 司会・食べちゃおーっと(光り輝くマリトッツォを食べる) 参加者・…
(図書館で浮かない顔をしている青年) 謎の男・どうしたんだ…そんな顔して。 青年・あ…あそこの本が取りたくて… 謎の男・そっか。てっぺん目指してるんだな。 ーゼロから始めるプログラミングー 青年・いや、ただちょっと覚えたいだけです。 謎の音・だったら俺を超えてけ。 青年・プログラミングできるんですか? 謎の男・できない。ほら超えてけよ。(背中を丸めて上に乗るよう指示) 青年・あ…乗って大丈夫ですか? 謎の男・あーなんたって俺は土台男だからよ。みんな俺を超え
(リレーのアンカーとして待っている高校生マサル。) マサル 語り・くそっ…追いつけるかな。 (ナオトが走ってくる。) マサル 語り・よし。来たな。 (ナオト バトンを渡す) (バトンから火が吹き出る) マサル・え! ナオト 語り・大丈夫。誰にも見えてない。そのまま走れ。 マサル 語り・え…なんで… ナオト 語り・脳内に直接話しかけてる。 マサル 語り・そんなこと出来たんだ。 マサル語り・でも、なんでバトンから火が出てるの。 ナオト 語り・もっとびっくり
(野球の試合。選手が並んでいる。ホイッスルを吹こうとする審判) 審判 語り・あ…やばい。めっちゃ鼻ムズムズする… 審判 語り・ん?なんでこっち見てるんだ。 審判 語り・あー俺が吹くのか。よし。あ…やばい。めっちゃ鼻が… 審判 語り・ん?なんでこっち見てるんだ。 審判 語り・あー俺が吹くのか。よし。あ…だめだこれ。めっちゃ鼻が… ナレーション・この男は鼻がムズムズすると10秒前に戻る能力があることをまだ知らない。
(クレヨンの形をしたカラフルな建物がたくさんある。) 高校生 語り・相変わらずだな。 高校生 語り・でも、俺は気づいた。 高校生 語り・このカラフルな建物高さが全て一緒だ。 高校生 語り・そして並び方に特徴がある。 高校生 語り・この街全体の上から画用紙が落ちてきたとして、右回転すると「たすけて」というメッセージが。 高校生 語り・誰の叫びか知らないけど、みんなに今日はそのことを知ってもらう日だ。(指パッチン) (空から白い画用紙が落ちてくる。) 街の人・なん
(大学生が駅に落ちてるライターを拾う。) (ホームのベンチに座ってる男に話しかけられる。) 男・それやるよ。 大学生・え… 男・まあ、持ってな。いつか役に立つ日が来るはずだ。 大学生・これが…(ライターをつけようとするもつかない。) 大学生・壊れてるし。 男・ライターに見えるのか。それが。 大学生・え…ライターじゃないんですか? 男・切符だ。行き先は言えないがな。必ず役に立つ日が来る。それまで持ってろ。 大学生・切符…
(路地を眺めているマコト) マコト・あ… (グループLINEを確認する。) -ナオ:明日楽しみだね!- -ケン:10年だもんね。ちゃんと残ってるかな。- -ヒロ:残ってなかったらそれはそれでしょ。- -タケル:いや、あの木は絶対無くならないって!- -ナオ:だね!また明日!- (LINEを送る) -マコト:ごめん。気になって見に来ちゃったんだけどなくなってる。コンクリだ。- -ナオ:そっか。そしたら明日はなしにしよー。- マコト 語り・いう必要もなかった
(高校生3人。タク、ユウ、ヒロ。) タク・これは…(机の上にランプ) ユウ・ごめーん!!…トランプ注文したつもりだったんだけど間違っちゃったみたい。 タク・え… ヒロ・トランプと間違えてトラランプ注文したんだって。 タク・トラランプ…そんなのあるんだ。 ユウ・ほんとごめん。なんか高いなと思ったんだけど寝ぼけてて。 ヒロ・え…何円するの? ユウ・7万円… タク、ヒロ・たっかー!!! ヒロ・え…大丈夫?? ユウ・うん。今までのお年玉全部使っちゃったみたい。
(電話対応をしているスタッフ) スタッフ・はい。そちらに関しましては私どもでは分かりかねますのでメーカーにお問い合わせお願いします。 スタッフ・ここに電話しろと言われた…申し訳ありません。私どもでは分かりかねますのでメーカーにお問い合わせお願いします。 スタッフ・お電話ありがとうございました。 スタッフ 語り・はぁ…心苦しいな。たらい回しなんてしたくないのに。 謎の男・代わろうか? スタッフ・え…誰ですか? 謎の男・たらい回しマンだ。 スタッフ・え… たらい