サラリーマン川柳に見る上司と部下(後編)

前回に続きサラリーマン川柳(現「サラっ」と一句!私の川柳」)第21回から見ていきましょう。

「空気読め!!」 それより部下の 気持ち読め!!

第21回(2008年)大賞

上司からの空気読め!おそらく会議で上司にとって不都合なことを部下が言ったのでしょうか。それに対して部下の気持ち読め!
なんだか、他部署から無理なお願いをされて上司がそれをいいかっこをして引き受けて・・・。そんなストーリーがあったのかもしれません。

「宝くじ 当たれば辞める」が 合言葉

第25回(2012年)大賞

上司と部下ではありませんが、日々の不満が感じられます。
そして、この合言葉はおそらく万人にとっての共通言語では?

ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?

第30回(2017年)大賞

「ゆとりだから~」というのは、ゆとり世代にとっては身勝手なレッテル貼りにしか思えません。
世代における一側面を切り取られてしまうならば、私もあなたにレッテルを張り付けるぞ!という意気込みがあります。
昨今はゆとりという言葉をあまり聞かなくなった気がしますが、もしそんなことを言えば「ゆとりハラスメント」なんて言われてしまいますかね。

会社へは 来るなと上司 行けと妻

第34回(2021年)大賞

これも上司と部下というわけではないですが、コロナ禍での悲哀が感じられます。
上司はこの川柳を見てどんな気持ちになるのでしょうか。

さて、これまで前後編にてサラリーマン川柳における上司部下の関係をさらってきました。
どの川柳でも、部下の方の鬱屈とした思いが感じられますね。
ただ、そのほとんどがコミュニケーション不足と歩み寄りな気もしてしまします。
上司からの不条理な(のように見える)指示と、それについて反論が認められない環境。少なくともこの30年、あんまり変わってないのかもしれません。

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