授業データ、活用してみた。
前回の記事では、
授業を録画し、見直すことの大切さについて述べました。
1、成長過程をシェアしてモチベUP
語学学習では、なかなか先が見えず挫折してしまう方も少なくありません。
成長の過程や変化をシェアするだけで、モチベーションUPにつながります。
2、データ活用
そこで今回は、
実際に私の学生の録画データを活用し、
学習者の成長の記録を分析してみました。
対象者:Cさん
中国語母語話者。中国南方出身。大学生。日本語学科。
日本語学習歴3年。 N1(日本語能力検定1級)レベル。
昨年の1月から今年の5月までの彼女の成長の跡を、
一部お見せいたします。
3、授業を文字化
まず、分析するにあたり、
彼女の談話を文字におこしました。
1〜5月までの5ヶ月分の授業、
これらすべてをタイピングするのは大変ですし、
気が滅入ります。
ひとまず、
1ヶ月単位での変化を観察しましょう。
1、2レッスン/月 を文字化しました。
↑ こんな感じに、あまり神経質にならず、とりあえずタイピングしてみた
4、変化を可視化
タイピングしていくうちに、
さまざまな面において、
彼女の談話の変化に気付きました。
たとえば、Cさんの場合、
項目「文の量」を見てみると、
1月〜5月にかけて、談話の分量が明らかに増えていました。
< 記号を入れ、その量の変化を図に表しています。
・項目は 学習者によって変えてOK(たとえば、語彙や流暢さ、など)
・変化が 数ヶ月単位では見られない学生もいる
具体的にいうと、
Cさんは初め、積極的ではなく、
どちらかというと「聞かれたら、答える」というスタンスで、
2月13日時点では、
1つの質問に対して、約20〜40字で答えていました。
また、中国語と英語を混ぜて、話を完成させています。
しかし、5月13日の授業をみてみると、
自分のことだけではなく、
他の人の状況について話すようになりました。
文法の誤りなど、細かいミスはありますが、
中国語や英語を使わず日本語だけで、
250字ほどできちんとまとめています。
さらに、
話しながら自分自身で誤用を訂正するようになりました。
このように
文字化すると、変化を可視化することができます。
たとえば、
よく間違いやすい文法を見つけ出したり、
語彙の選び方を観察したりすることも可能です。
5、まとめ
まとめ
・授業を録画する
・授業での談話を文字化する
・文の量、語彙、話す早さなど様々な観点から学生の変化を探す
・学生と成長の変化をシェアし、更なる学習意欲を促進
【追記】
彼女は大変頭の良い学生で、きちんと考えながら話します。
慎重に言葉を選ぶのです。
ペラペラと話したいことを話して終わり・・・
みたいなタイプではありません。
きっと、もっともっと言いたいことが、
彼女の中に眠っているんだろうなあ、と思います。
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