見出し画像

尾瀬の山小屋に泊まる旅 1日目

山小屋と聞いて最初に思い浮かべるのはどんなイメージだろうか。
登山に関する知識が皆無だった頃の私のイメージはわりとこういう感じだった。

※画像は全てUnsplashの素材

そこそこ登山をかじっている人に「山小屋ってこういう感じですか〜❓」と聞いてみよう。
たぶん女子供の考えそうなことだなという顔をしながら「山をなめるな」とか「グランピング笑でもしてろ」とか言ってくるはずだ。(ド偏見)

前提として、山に行くということは様々な危険と不便の中に身を擲つということに他ならない。
しかしそれでも「人生は挑戦」とか「写真撮りたい」とか「そこに山があるから」とか言って登りたがるどうしようもない連中が後を立たないから、山小屋はそういう人達の生命線を保つために救難施設として存在しているのだ。
そもそも色々な物を運んでこられる環境ではないのだから風呂などという贅沢品も存在しないし、一箇所にすごい人数の汗臭い人達と一緒に押し込められるし、ご飯も良くてカップ麺とかになる。
———らしい。山をなめるなおじさんは高確率でこういう感じで脅かしてくる。

しかし、そんなことを言われても諦めきれない。
そういう命と尊厳のギリギリを攻める感じじゃなくて、休暇を過ごすようなニュアンスで山小屋に遊びに行ってみたい
そう思って探した結果、かなり良さそうだったのが尾瀬にある山小屋だ。おばあちゃん達が「夏が来れば...思い出す...」と唱えながら群れを成して歩いているイメージが強いあそこだ。
尾瀬の山小屋には風呂があるし、ご飯が出るし、一人でも個室対応可能(状況による)だという。山をなめるなおじさんが言っていたこととだいぶ話が違うし、これはかなり遊びに行けそうだ
前置きが長くなったが、そういう訳で7月の尾瀬に行ってきた。
※一応言っておくと山をなめてはいけないこと自体は事実だし尾瀬に軽装で入ってきてはいけない。

尾瀬1泊2日 主な行程
1日目(金)
06:35 尾瀬号乗車(新宿バスタ)
10:55 尾瀬戸倉着、乗合タクシーで鳩待峠へ
11:30 鳩待峠着、尾瀬ヶ原方面へ
14:00 弥四郎小屋着、宿泊
2日目(土)
05:30 弥四郎小屋発、尾瀬沼方面へ
08:15 大江湿原でニッコウキスゲを見る
09:15 長蔵小屋あたりで休憩、下山へ
12:00 一ノ瀬バス停着、乗合タクシーで大清水へ
12:20 大清水着、時間を持て余す
15:00 尾瀬号乗車(大清水)
19:50 バスタ新宿着 ※休日のため若干遅延

尾瀬までのアクセスは色々あるが、今回私は新宿バスタから出る登山口直通の高速バス「尾瀬号」を利用した。座席の予約は1ヶ月前から可能で、連休などの混雑期はかなりシビアな戦いになるようだ。

しかし当日、平日とはいえ金曜朝出発の尾瀬号はスカスカだった。雨予報だったからだ。
とはいえ山の天気は変わりやすいというし、実際は降ったり止んだりくらいだといいなと一応期待もしてみたが、尾瀬に近付くにつれきちんと雨足は強くなっていった。
尾瀬戸倉でバスを降り、乗合タクシーに揺られて鳩待峠に着く頃には、正直帰りたくなっていた
休憩所でレインコートの上下を着たり、ザックにカバーを着けながら、何となくここにいる誰かが先に行くのを待っていたが、誰も行かないので渋々出発した。

傘は危ないのでささなかったが、被っていたこの帽子が思いの外雨を弾いてくれたし顔も守ってくれて良かった。私は顔が濡れると力が出ない

入山口の最初にあるビショビショの急な階段を降りた後は木道が続いていて歩きやすかった。
登りで苦しそうな顔をしている人達と何回かすれ違うと、だんだん元気も出てきた。

12:20 山の鼻小屋

山の鼻という地区を抜けると一気に湿原の風景が広がり、雨だから帰りたいとか思っていたことなど全部忘れた。
一人行動なのと混雑していないのを良いことに写真をバシャバシャ撮る。スマホは首からかけるタイプの防水ケースに入れているので快適だ。

13:25 龍宮小屋
2時間ぶりに屋根の下に入った
14:00 見晴

14時頃、この日宿泊する弥四郎小屋に到着。
受付を済ませて部屋の鍵を受け取る。

上の写真は本館で、泊まったのはすぐ隣にある別館内の部屋。
追加料金が必要だが、混雑期でなければ一人客でも個室に泊まることができる。
ちゃんと確認した訳ではないが、この日の個室部屋は最終的に満室になっていたと思う。

廊下にあった眺望スペース

荷物を置いて身軽になったので、他にも数軒山小屋が立っている見晴地区をうろうろする。
雨も弱まってきた。

尾瀬小屋のテラスではワンコインでキンキンのビールが飲める。そんなに酒好きな訳ではないが、時折「今ここでビールを飲まないのは絶対に間違っている」という意識に突き動かされることがあり、それが完全に今だった。

プレミアムモルツ(生)小ジョッキ

とても自由な気持ちなので、ビール一杯いった後に弥四郎小屋の喫茶でコーヒーも飲んじゃう。

この水で飲み物を冷やしている人もいた
抹茶花豆ロールケーキとブレンドコーヒー

途中で来店した30代くらいの男女もこのケーキに心惹かれたらしく「あっ、花豆のロールケーキだって。これにしよっ。けって〜い!」と言っていた。私は(夢原のぞみ?)と思ったが誰にも言えずもどかしかった。
ちなみにこれを言っていたのは男性の方。

この本は半分くらい何の参考にもならなくて面白い

18時に夕食。館内放送で食堂に召集され、指定された席で食べる。ハンバーグが好きなので嬉しかった。

食後すぐに風呂へ。ドライヤーが使えないので髪は洗わずドライシャンプーを使用した。
とても自由な気持ちなので、風呂に入った後だけど日没を見に行く。時刻は19時手前。

陽が沈むと山小屋にも灯りがともり、一帯がたまらない雰囲気になる。
激弱フリーWi-Fiしかなくてネットがほぼ使えないので、スマホをいじっている人はほぼいない。
私はネットが無くてもメモアプリで文章を書いて遊ぶような人種なので、私が一番いじっていたと思う。
(docomoユーザーはネット使えるらしい)
また、共用の充電スペースは存在しているが、電力が微弱でなかなか充電できないため、スマホのカメラをガンガン使う人はモバイルバッテリーを複数持っていた方が良さそうだった。

明日は早起きするので、部屋に戻って就寝。

消灯時刻の21時を前に布団にもぐり込んだが、また一雨来たらしく雨音がバチバチに響いてなかなか寝付けなかった。

いいなと思ったら応援しよう!