第168回 さよなら、道真サン の巻
正確にいうと道真追放劇は「宇多グループの解体」でした。
目立ちませんが道真だけでなく、宇多法皇の側近たちも追放されています。
しかし彼らは総じて中級・下級役人。謀反するにしてはあまりに身分が低く力がなさすぎで、追放理由の設定としてはお粗末に見えます。
この点から考えても道真追放劇は、藤原摂関家から宇多法皇への攻撃とみることができます。
おそらくこの攻撃を早くから察知した宇多は、出家を隠れ蓑に背後から権力を行使しようとしていたようです。 しかし突如としてチームは解体されてしまい、しばらくは死んだふりをして機会を待つしかありませんでした。