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本につながる本
作者いて読者いて。その中間を端折るのが最近の風潮に見えるけれど、本を読むまでにラストワンマイルが本屋さんだとして、考えてみれば(考えるまでもなく)それまでの工程っていろいろあるよねという話。
新装版 はじめての編集
編んで集めるとかいて編集。企画をたて、人を集めて、モノを作ることが編集。フローとストック、権威と参加、記録と創作の視点。言葉とイメージとデザインの要素。最近だと出版やメディアに関わらずもっと広い意味で、編集という言葉が使われてきている感じがします。
古くてあたらしい仕事
夏葉社の島田さんのこの本は、出版社としての職人的な仕事について。一人出版社として、本当に大事で必要な本だけ誠実につくり続けています。多分、本が好きな人はすごく憧れる生き方だと思うし、同じように仕事をしたい人が増えることも、それがちゃんと成立することも、この本の先にあってほしいです。
「本をつくる」という仕事
書体、製本、活版印刷、校正・校閲、用紙、装幀、エージェント、作家。「本をつくる」という仕事には、多くの人のこだわりや情熱が詰まっていることがわかります。この本そのものの装幀、デザインも素敵です。
装幀談義
装幀家である菊地信義さんの本。これは1986年に発行されたものですが、その後2008年には「新・装幀談義」が出ています。素材、書体、図象、構成それぞれについて装幀とは何かが語られています。理想の装幀は何かよくわからないけど、目を引く、留まらせる力。そのためには深い内容の洞察や肌感覚が必要で、かつ現実的なコストや技術との折り合いを、工夫と発想で実現する。出版に興味のあるひとは全員読んだ方がいいと思います。
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている
紙の本は当然用紙が必要。でも3.11の震災時、石巻市の日本製紙の工場が津波に襲われ被災。出版用紙のメインの製造ラインが停止した影響は大きく、当時は発売延期や代替用紙を使うこともあったようです。震災直後から石巻工場の復興までどれだけの苦労があったか。b7という用紙の名前を見ると、いつもこの本を思い出します。
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本を作るって工程で言えば、最近やってるpage2020とか、少し前にやっていた「効果のある/なしの境界線」展、製本会社さんのSNSとか見ると、印刷・加工・製本に対する愉しみみたいなものも増えるし、もっとそういうところがコンテンツとして出てくるといいなぁと思います。