
Photo by
mcmc
紙製品が売り切れてるけど、同じ紙なら本買おう
紙製品が売り切れてるけど、同じ紙なら本買おう。学校も休みになってしまったし、そんな時に読んで見ると良さそうな本。
君たちは今が世界
学校が休みになって、正直ほっとしている子もいるんだと思う。それは間違いじゃないし、自分も学生時代だったらそう思ったかもしれない。
小さくて濃くて狭い関係、小学六年生の教室。それが世界の全てと思える中で、先生も生徒も悩んで苦しんで。誰もが自分の中に表と裏の表情、嫉妬、恐れ、やましさなんかを持っている。でもただ苦しいだけじゃない、それでもどこかに小さな正しさや、人間的なところがあって、最後まで読むと明るさも見えてくるような本です。
思いはいのり、言葉はつばさ
中国・湖南省で文字を習うことのできなかった女性たちが、想いをつたえるために伝承してきた「女書」をテーマにした児童文学です。
社会的な制約、昔からの民族の慣習など、主人公の少女の周りにはいくつもの制限がある。それでも女書を通じて人を思う気持ちを、慣れない文字(言葉)にすることが、つばさとなってその壁を超えていき、誰かに届く。
反射的な言葉が溢れすぎる今だからこそ、深く誰かを想う、祈りのような言葉が必要なんじゃないかと思わせてくれます。
蝶の羽ばたき、その先へ
突発性の難聴で片方の耳が聞こえなくなった、中学二年生の女の子の物語。聞こえなくなることを認めたくない葛藤、聞こえなくなったことを学校で友達に伝えられないもどかしさ。そして、そこから一歩踏み出すのは少しのきっかけと本人の勇気。
話の展開が冗長にならず、言葉の選び方が的確だから、逆に無駄なことがなく最後まで没頭してしまいます。