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海を見に行った時の話

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男二人旅の記録
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どこか遠くへ行ってみた。肆

どこか遠くへ行ってみた。肆

前回の続き。

昨晩ぐっすりと眠れた私は寝起きもよかった。
お酒を飲んだ翌日は頭痛とともに目覚めることが多かったのだか、今日は至って健康だ。
なにかスピリチュアルなものを感じた朝だった。

横を見ると既に心之介が起きていた。
前回書いた通り、隣の部屋とは襖1枚で分かれているだけなので当時の朝ドラの音声で起きたらしい。これは災難だ。

素泊まりプランで宿泊した為、朝食の用意は無い。宴会場なようなとこ

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どこか遠くへ行ってみた。参

どこか遠くへ行ってみた。参

前回の続き。

宿が決まった私達は意気揚々と浦新へ車をはしらせた。
海から離れる寂しさはあったが、浦新への謎の期待があった。
幹線道路を抜け山道を走ること1時間半。ついに目的地の浦新が見えた。

外観はホームページで見た通りおばあちゃんち。中に入ってもそこはおばあちゃんちだ。
木造の年季の入った建物。館内はビジネスホテルのような小綺麗さはなく、どこか安心する内装。そしてお酒の自販機。350mlのビ

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どこか遠くへ行ってみた。弐

どこか遠くへ行ってみた。弐

前回の続き。

海が見えてからしばらくすると目的地の公園へ到着。
駐車場に車を停め、5分ほど歩くと念願の海が目の前に。

出張などで海沿いに行き見ることはあったが、海を楽しむ為だけに来たのは小学生の時以来だ。
群馬では感じられない塩の匂いやベタつく風、波の音。
一緒に来た心之介はどう思ったか知らないが、私は4,5時間かけてでも来てよかったと思った。

しかし、時期が時期なので海には入れない。近くを

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どこか遠くへ行ってみた。壱

どこか遠くへ行ってみた。壱

今から6年前
21歳の4 月
GW前の話

高卒で入社した会社を辞め無職だった期間。

暇だ、どこか遠くへ行こう。

不意にこのような考えが浮かんだ。
と言ってもどこに行こうか?てか、一人で行くのか?
色々な考えが廻り、最終的には心之介に連絡をした。
anちゃんは東京だし、心之介なら大学生だから時間はあるだろうと思ったからだ。
どんな話をしたかは忘れたが、

私「海沿いの道で夏色えがおで1, 2,

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