どこか遠くへ行ってみた。参
前回の続き。
宿が決まった私達は意気揚々と浦新へ車をはしらせた。
海から離れる寂しさはあったが、浦新への謎の期待があった。
幹線道路を抜け山道を走ること1時間半。ついに目的地の浦新が見えた。
外観はホームページで見た通りおばあちゃんち。中に入ってもそこはおばあちゃんちだ。
木造の年季の入った建物。館内はビジネスホテルのような小綺麗さはなく、どこか安心する内装。そしてお酒の自販機。350mlのビールで400円ぐらいだった気がする。
そしてオーナーへ電話したものですと伝えると宿泊する部屋へ案内された。
案内された部屋は玄関から歩いてすぐの場所だ。ふすまを開けるとそこはこれまでになくおばあちゃんちだった。
畳の和室で床の間には鷹の剥製がある。テレビは3流メーカーの安いやつ。
木の大きいテーブルがあった気がする。昔の家でよくみるやつ。
そして驚きなのが隣の部屋との仕切りが襖1枚ということ。
襖を開けば隣の宿泊客。プライバシー、セキュリティという言葉はこの民宿に通用しないようだ。
しかしこれさらにおばあちゃんち感を醸し出していた。
当たりだ。妥協してビジネスホテルにしなくてよかった。
一通り説明が終わりオーナーは部屋を後にした。
その後は少し横になり、夕飯を食べに行くことに。
Googleマップで検索すると近くにそば屋があったので向かうことにした。
他に選択肢が無くそこに行くしかなったというのもあるが。
外に出るとあたりはもう真っ暗だ。場所的に野生動物が出てきそう。
そして、愛車にはカエルと小さい蜘蛛がいた。
民宿から歩いて5分ほど。目的のそば屋に到着。
個人経営の寂れた店舗。中に入ると先客が1組。当時の私達と同年代の男女数名で飲み会が行われていた。
この田舎には似合わない風貌。テニサーだろう。
そのグループを横目に私達は壁際の席に座った。
たしか、蕎麦は食べずにビールを飲みながら焼き鳥を食べた。何か熱い話をした気がする。ツイキャスもしたような。
吐いた記憶はないのでそこまで飲み過ぎなかったのだろう。
1時間ほど滞在し程よく酔ったところで店を後にし浦新へ戻る。
戻ってからはとりあえず風呂に入った。
大浴場ではなく寮の風呂みたい。
4名ぐらいのシャワースペースとそれなりに大きい浴槽。
風呂から出たら布団を敷いて横になった。
いつもは慣れない場所だと中々寝付けないのだが、民宿から醸し出される安心感からすぐ眠ることが出来た。
ありがとう。浦新。
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