まあお 読書ツイート集 2019夏
この記録はとある自称作家が、ふと思いついてツイッターでその日読んだ本の報告などしている間になんとなく人気が出て来たシリーズを原文のまま、まとめただけのものである。
無名の自称作家の読書感想文など、どういう需要があるんだ、と自分がいちばん思っているが、これがなぜか人気があるので、世の中って本当によくわからない。
まあ、この中から一冊でも読みたい本が見つかりましたら、たいへん光栄でございます。
同じご感想をお持ちの方は、ぜひぜひ私をフォローなどしていだけますと、はかどります。基本的にフォローバックしてます。よろしくお願い申し上げます!!
2019-07-03
【漫画読んだ!】ネルノダイスキ先生の「ひょうひょう」
しっかり描き込まれた絵に、眠る前にふと考えてしまうようなアイデアを「創造力」で練り上げたようなお話。
漫画はそうたくさん読まない私だが、繰り返して読みたい良作!!
絵で語れる方が羨ましいなww
0706
【読んだ!】平野啓一郎先生「空白を満たしなさい」
あまりの読みやすさ、面白さに「この作品のジャンルは何だろう」などと考えながら読み進むが、結論としては紛れもなく「純文学」
ストーリーや台詞のみを追ってはいけない。あとでじっくりと本質を読み解いておきます。
実に実に面白く、拝読いたしました。
ところでかなりどうでもいいけど、「台詞の最後はこうなっていたよ。」
それもまた、表現。読書って楽しいですね☆
午後はまたweb小説読む予定だよ!!
0707
【読んだ!】川端先生「みずうみ」
内容は「事案です」としか言えないが、読みやすすぎる名文に、ほろほろと読まされてしまう。
私はさほど美文には興味がないが、本物には屈する。
できたら「みづうみ」を読みたかったものだな。
作中の言葉で言えば「幸福の狂想」。そんな名作。
ところで作中にラディゲが出てきていた。
三島先生も褒めているが……私はあれよく分からないのよな。
明日はラディゲ再読としゃれ込みますかwwwwww
気が向いたら、な。
0708
【読んだ…】ラディゲ「肉体の悪魔」
何度読んでも分からない。自分をインテリだと言い張るラテン系少年の実に自己中心的な所業としか読めない。
硬質な心理描写! なんて、みんな褒めているけど原語じゃなくても伝わるものか。
早熟の天才じゃない私には分からぬ模様。くちをし。
昨日みんなが いいね したから読んでみたけど、やっぱり分かんないなー。
もっと若くして読んでいればいいのか、とも思うが、若い頃にも全然ピンと来なかった。
もったいないけど、知性の限界かもしれぬ。いつかまた読むかも読まないかも。
0709
【読んだ!】吉行淳之介先生「美少女」
まったく、モテる作家の小説なんてもんは本当に……最ッ高だ!
脳みそまで鳥肌でやられちまったよ! エンタメ風味、洒脱でスリリングでそして勿論、エロい!
これが愉しめるんだから、大人も悪くはねえな。
子どもたちと、頭の堅いヤツらは読んじゃダメだぞ☆
しかし本来こういうのは午前中から【読んだ!】なんて世界に向けて言っていいものではないな!
自分の書棚にひっそりと、できたら芥川やら志賀直哉なんかの間にこっそり挟んでおくのが正しいと思うんだぜwwwwww
0710
【再読!】魯迅先生「阿Q正伝」
この本は高校生で一度、挫折した。でも今はすごく面白い。
まだ中国の風俗や政治・歴史のこととか、分かるとは言えないけど、面白い。
読めるようになって、良かったと心から思う。
みなさんも「くだらない」本は捨てていい。「分からない」本は捨てないでね。
0711
【読んだ!】「中田永一」先生「私は存在が空気」
極上の清湯スープのような濁りなき物語。文章はどこまでも端麗。
不思議な能力は主題ではない。もがき迷いながらも清廉な若き魂たちの、陽炎のように美しい青春。
そう、青春ってこうだよね!
だが負犬が遠吠える。私の青春はトンコツだったんだ!
いやしかし、本当に素敵なご本でした。
私は最初のお話とそこに出てくる瀬名先輩がたいへん好きであります!
0712
【再読!】ゲーテ「若きウェルテルの悩み」
この芳醇な物語の主人公は、私だ。何度読んでもそう思う。心臓が千々に乱れて打ち鳴らす。
そうならない読者を可哀想だとさえ思う。
未読の方は幸福だ。あなたはこれから凄い体験をする。ご託はいらん。読みたまえ。
これを岩波文庫の竹山道雄先生訳で読んでいます。
よい文語訳をご存じの方、入手できそうな本を教えてくださると幸いです。
0713
【読んだ…】泉鏡花先生「歌行燈・高野聖」
息も忘れる美文。しかし美しさに幻惑されて何が書いてあるのか全く追えない。知性の限界をまざと見せつける。
読んでいる間中、鏡花様に土下座した頭を踏みつけられている心地がする。
美文家って絶対ドSだ。再読します。またいつか踏まれよう。敗北!
0714
【読んだ!】中村元先生「原始仏教」その思想と生活
お釈迦様の教え、ではなくゴータマ教団の思想が知りたい。一般向けの本としては良書かと思う。
学者の言葉は論理的で虚飾がない。
惜しむらくは、この知識がどこまで正確なものなのかパーリ語を知らない私は裏が取れないことか。満足はした。
0715
【読んだ!】山崎ナオコーラ先生「人のセックスを笑うな」
没入感がすごい。文章が瑞々しくも技巧があると思うのに、それを忘れさせるところが本当に敬服してしまう。
そして、みるめくんとユリちゃんの感性が全く違うというのが、一人称視点で表現されているのが天才的と思う。
みるめくんは恋愛の話をしている。ユリちゃんは、何を考えているのだろうね?
ユリちゃんは客観的にはヤバいひとなのだと思う。芸術家だなあ、と思う。それに、みるめくんが気づかないのが大変面白い。
映像もよかったです。でも小説はもっといいです。
この作品に出会えて、よかったです。
0716
【読んだ!】オースティン「高慢と偏見」
超絶技巧に驚嘆! 流石、文学の国の古典といったところだ。
しかし恋愛小説には思えないんだぞ……
心理戦、嫌味と皮肉の応酬、極めて個人的な政治小説なのかと思ってしまう。飯を食ったことは書いても何を食ったか書かないところが英国クォリティ。
文字数のわりにあっさりと読了できた。
だがだいぶ疲れてしまった……朝からヘヴィだったな。
今日は軽~く暮らそう。
まあでも、我が国の文豪が褒め散らかすのも頷ける。
しかし英国文学の「底意地の悪さ」……なんとかならないものだろうかww 頭がいいのも考えもの?
0717
【再読!】谷崎潤一郎先生「刺青・秘密」
心まで締め上げるような陶酔の万華鏡。
卑賤な私はもう何も申し上げる言葉もございません。ささ、皆様お読みあそばし。
それでどうなつたッて、知りやあしませんがね。
0718
【再読!】リラダン「未來のイヴ」齋藤磯雄先生訳
ピグマリオンの系譜は多数あるが、これは別格。魅力の半分は美麗な訳文かもしれん。
二次元の俺の嫁を愛したことのある全ての現代人、必読。オチに震えろ。
もう時代はここまで来ている。良質のSFは予言書なのだ。
0719
【読んだ!】川崎信定先生「原典訳チベットの死者の書」
なんのためにそんな本を読むのかと訊かれる。
明日使えない無駄知識満載の本だって、私は読みたい。
どうせ忘れてしまうにしても、今この瞬間が満ち足りて自由ならそれでいいだろ。
ただ豊穣な時間を与えてくれる、そんな一冊。一切吉祥!
0720
【読んだ!】近松門左衛門「曾根崎心中 他」
筋も文章も派手でケレン味がある。思想というより軽妙を味わうあたりは庶民のためのエンタメかなあと思う。
そんなに難しくないから読んでみては? 山場の盛り上がりは流石に圧巻。読む価値は充分にありそうだな。
0721
【読んだ!】高木徹氏「ドキュメント戦争広告代理店」
みんなで覗こうTVのウラガワ。
ヤバいくらいに面白くて刺激的。そして分かりやすい!
心からそう思うが、そういう本こそ注意して読みたい。インテリの言葉に騙されたいか?
一級の作品だと思う。だからこそ考えて読むべき。
0722
【読んだ…】古井由吉先生「杳子・妻隠」
精神と肉体の乖離について書かれているようにも読める。ものすごくエロい話にも。
人と人との断絶について書いてあるようにも。
核心には触れなかったようだが、上品で巧い文章には圧倒された。もう少し人生を知ったら再読しよう。今はここが限界だ。
0723
【再読!】中村うさぎさん「ダメな女と呼んでくれ」
私はこの方の文章を読むといつも作家が罹りやすいある病名がチラつく。
たとえそうでも、このエッセイが激しく面白いことは変わらないから、笑えばいいと思うよ(cv.シンジ)
みんな笑って本が売れるなら素敵だろうが。ありがとう、うさぎさん!
ご本人が先生と呼ぶなと書かれるので、あえてさん付けしています。
私はそんなうさぎさんが、好きです。
0724
【読んだ!】柴田勝家先生「ニルヤの島」
ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作
硬質で密だが読みやすい文章。知的に制御された叙情。理系寄りの宗教観。実に美しく整っている。
文体からしてSFしている! 一行深く刺さった。前半と後半で密度が違う。私には意図は読み解けず。個人的には前半が好き。
構造的にすごく攻めている。
新人賞の応募作として挑戦的。書き手の方がそれに驚くだろう。これを通したハヤカワさんは流石だ。しかしよい筆名ですね! それもまた魅力的です。
別の作品も読んでみたいな。
0725
【再読?】三島由紀夫先生「美徳のよろめき」
文豪が手加減してゐる、と感じてしまった。文章は冴えまくり。なのに内容は「?」
直感的に無礼な感想。この仏に魂はありや? 仏に間違いはないが、平素の凄み、いずくんか。
マッチョな思想家に通俗ものは少々、大衆への媚びにみえてしまいました、先生。
自分の感性に限界を感じる。きっとまた私は忘れてしまうでしょう。今日読んだことさえも。無念。
0726
【再読!】太宰先生「女生徒」
感性と自意識でがんじがらめの文章。ぶつぶつ千切れて、だらだら続いて、なのに読ませる圧が凄い。
まるで太宰に縋り付かれている心地がしてくる。
ええい鬱陶しい、寄るな触るな絡んで来るな。
お前なんか大嫌いだ、と叫びたくなっても、心のどこか深いところが共鳴しているのを知っている。
似てるとか言うなよ、怒るぞ本気で。
だけど太宰先生、私だって「美しく生きたいと思います。」美しく逝きたいと思います。
あなたの文学は美しいと私は吐き気を催しながら、認めます。#好きだよバカ
0727
【読んだ!】谷崎潤一郎先生「痴人の愛」
構造も文章もこの作家にしてはストレート。そしてそれが、効果的に胸を打つ。物語本来の力を発揮している。
ストレートなのに、否だからこそ、個性的。
思っていたよりエロくない。サティみたいにオシャレでハイカラ。
奇を衒わなくても名作は語る。
私はこの女を妖婦と思わなかった。男を阿呆とも思わなかった。
崩壊すべくして崩壊したと思う。
女が本当に不満に思っているのは。本当に欲しかったものがなんだったのか。それはたぶん物語に明示されていると思うよ。
一番生き生きと描かれたうつくしい描写がそれだと思うよ。
0728
【再読!】山田詠美先生「風味絶佳」
たぶんこの小説には、恋愛の本当が書いてある。
無垢じゃないけど純粋な本当。
誰も彼も、少しおぞましくて、愛おしい。
恋は人間をバカにする。バカな方が人生はちょっと楽しいはずだ。
小説としても正統で完成度が高い。何度でも読みたい!
0729
【再読!】サヴァン「ぼくの美しい人だから」
恋は思案の外。私の一番好きなことわざの意味を訊かれたら、この本を紹介を紹介したい。
なんでぼくはこんな女好きになっちゃったんだろう。
笑ってしまうほど愛おしい。答えはとっくに知っている筈。だってタイトルが、ほら? #これ好き
0730
【読んだ!】三島由紀夫先生「花ざかりの森・憂国」
珠玉の短編集。私には教科書に見える。読み手にはきっと絢爛な重箱に見えるだろう。
本人の解説がたいへん面白いもんで、笑ってしまいました。ええ、おっしゃりたいことは分かりますけど。
どれもおいしいですよ。ご賞味を……!!
「憂国」流石に少々手が震えました。しかしどうも「劇場の自意識」のようなものが見える気が。小説としては完璧以上。文豪どころじゃないですね!
個人的には「女方」が突き刺さりました。「詩を書く~」が重要と見ます。「卵」が好きです。すべて個人のお気持ちです。おすすめありがとうございます!
0731
【読んだ】プロレタリア文学「セメント樽の中の手紙ほか」
文学へのアンチテーゼ? 6編の短編と芥川先生の評論が読める。
しかして、まあこれだけでは本質は掴めないよね。掴めないけれども「蟹工船」だけがブッ千切って「よい」可能性があると思った。
別のプロ文も読んでみないとなんとも。
しかしがっかりしたのがプロ文作家諸氏の学歴。インテリじゃねえか、騙したな。それは表現の巧さではないだろう。小林多喜二は旧帝大なんか出ていないけど文学しているように思ったが? 文学とは結局なんなのか、考える素材としては、あり。それこそアンチテーゼか? 個人の毒吐きです。
0801
【読んだ!】ランドール・マンロー「WHAT IF?」
バカバカしくも興味深い物理ジョーク集。
物理落第寸前の私を笑わせているあたり、著者の説明力とユーモアがハンパない。
これいくつか丸暗記したら女の子にモテる……といいですね?
暇つぶしに最適だが真面目に計算しだすと時間の無駄。そういう本。
私の心をとらえた質問は
「使用済み核燃料プールで泳ぐとどうなりますか」
「自分の遺伝子同士を掛け合わせると何が生まれますか」
人間の知性というものはなぜかくも無駄に消費されてしまうのであろうか。
付箋貼っておいたしこれでもう大丈夫!!
0802
【再読】ショーペンハウアー「幸福について」
哲学書として読むと異常なほど明解。だが単純ではない。
彼の定義だと私の幸福度は相当高いそうで? 正誤はとにかく読みどころは多い。付箋がなくなってしまった。
かほどの賢人が度々英仏をディスるのがどことなく愉快。これが独魂か?
やはりこういう本は大人になってしまった方が刺さるな。私へのディスかと思うところがたくさんあるぞ。
「人の与える印象について」が圧巻。ここは精読しておく。
西洋人だが仏教的なのも読みやすくて有り難いです!
0803
【読んだ!】佐藤優氏「獄中記」
美しい知性の生んだ麗しい記述。精密な知性に触れて心が洗われるようだ。これと同種の知性を以前にも読んだ。その本は近々再読予定。
私が投獄されたら何を勉強しようかと夢想してみる。
仏教哲学だろうな、今ならば。ご紹介に心から感謝を。
※その本は最終日に読みました。この国の若き知性の遺した言葉です。
0804
【読んだ】ヘッセ「車輪の下」
目眩がするほど美しいアドゥレセンス。本物の文学というものは人種も宗教も体験も越えて伝播するものなのか。
私はこんなに善良でも聡明でもなかったが、彼と同じ記憶があるよ。
そういえばヘッセは読んだことがあった。
「つまりきみはそんなやつなんだな」
原文で読めないのが、惜しい。
他の作品も読んでみよう。これが文学強度とかいうものだろうか?
ああ、ひとつ訂正を。ギムナジウムじゃなくて神学校だそうです。そういう文化的背景が分かっていない点も、もったいない。せめてキリスト教を知っていることに初めて感謝できました、ジーザス!
0805
【再読…】川上未映子先生「乳と卵」
文章が圧倒的に巧い。文学的にたぶん凄く意味深い。私にはそれしか、分からない。
少女、母、叔母。三人の女性の根底に愛のある断絶の話かなあと考えるが、意図的に思考の混沌化がされているのか、私にはどれが重要でどれがジャムなのか判別不能。
これが現代的な女性の感性として共有されるものだとすると「なんかこわいなあ」と率直に感じた。
再読してもなお、掴めないところをみると、私は絶望的にこれが読めないのだろうと思います。ギリで理解できて「少女」の心情。それもあまり共感しない。
謹んで降参いたします。
0806
【再読】中勘助先生「銀の匙」
感光した写真を一枚いちまい、大切に辿るアルバムのような小説。作家のまな裏には今もヴィヴィッドな色が蘇っているのだ。
どこからが脚色はさておき、そのうちの数枚が胸を打った。こういう並列型の小説も実によいものですね。
文体は前編と後編で多少色が違うが、私の文体に似ているのだろう、異常に読みやすい。影響かと言われると定かでないが、少なくとも太宰先生よりは似ていますね!(笑)
書きたい内容が違っているのでこんなに美しくは書けないが、大作家の名を挙げて戴けたことを嬉しく思います。
※先日私の小説を読んでくださった方から「中勘助のような文体」とたいへんに褒めていただいて調子に乗っております。申し訳ございません!
0807
【読んだ!】志垣民郎氏「内閣調査室秘録」
膨大な記録が結ぶ人間像、そして関係。あくまで静謐な筆致が刺激を催す。
しかしこの方、仕事しすぎである。家庭はどうなっていたんだ。政治を作るのは大変なんだなあ、という印象。愚鈍やコミュ障には無理。
面白いけど絶対関わりたくない。
教授リストの中に知ったお名前ちらちら。これがほとんど、の方はさらに面白く読めるであろう。
当然だが文学者・文学研究者にはこういった手は及びにくい。それで構わぬが、文学の力量は世間にナメられておるとも感じる。藝術音痴なれども賢し。例によって個人のお気持ちです。
0808
【読んだ…】森鴎外先生「山椒大夫他」
先生の小説はいつだつて、漢学とバタアのかほりがいたしますね。インテリゲンツアとか言ふあれでせうか。
小説史を考えるに、西洋小説との邂逅は必須なのだから、大変に意味深く。教本と存じますが高尚に過ぎます。
(訳 凄いけど私には難しい)
0809
【再読!】ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
未だ到達できないレトロな近未来。アンドロイドと人間の識別法は、何か。
そして私は生まれてこの方、私がAIでもなければゾンビでもないことを、証明できてはいないんだけれど?
さて。あなたは? ブレードランナー原作。
0810
【再読】稲本雅之氏「境界に生きた心子」
境界性人格障害の彼女と共依存の彼氏のノンフィクション。
色々と思うところあり、興味深い。
私はなぜこの魅力的な患者の言うことを、彼氏も医師も信じてしまうかが解せない。そういう意味で私は共感性は低いと思う。踏み絵としても読めるかと。
しかし読むのに差し支えるレベルの悪文と思う。出版されている本がみな正しい日本語を操れるというのは幻想。自称作家の方がまだましですよ。
だがそれでも読むべき内容なのは間違いない。高学歴で心の優しい方の書いたノンフィクション。私と正反対! #愚痴ってすまぬ
0811
【再読…】芥川先生「藪の中他」
上品な知性。こういう文章は怜悧と言えばいいのか。
しかし、その先。彼が何を思うのか、その要が分からぬ。冗句か本気か。
あの国語教師の言ったことは、的を外していると思うが。
馬耳には少々、念仏じみている。だが美しい念仏だ。あるいは天上の文学でせうか?
ほとんど読解不能の中「奇遇」は笑ってしまった。だがそれでいいのかは、自信なし。
「神々の微笑」これは読めたと確信する。本音か皮肉かは定かでないが。
雑文を見るに、お茶目なところもありそうだがな? 一冊で疲労感はんぱない。なけなしの知性を消費しました。
0812
【読んだ!】中山七里先生「さよならドビュッシー」
圧巻。重要な仕掛けはすぐに見通したけれど、読みどころが多く楽しめる作品。
エンタメというものがどれほど人を楽しませようという意図に満ち満ちているか再確認できる。本当に文章がお上手で読みやすい。満足に読了!
ミステリ以外の公募勢もできたら読んだ方がよい。この賞はさすがにハイレベル。ミステリとしての骨格もだが、熱量とエンタメ性のバランスが秀逸。
キャラの魅力も充分だが、それでいて「好感度」を失わない造形は驚嘆。文章力はお手本。素材は音楽ですが、公募勢への金言とも読めます。がんばろう!
※字数の関係で説明不足かもしれませんが、好感度の高い優等生的キャラは独創性を失いやすく、キャラとしての魅力が突き抜けないことが多いのです。実際この作品の主人公は優等生とは言えませんが障害を克服し強く前向きな性格設定がされています。そこがとても巧いとみます。二匹目のどじょうは難しいですけども。
0813
【再読】夏目漱石先生「文鳥・夢十夜」
筋の通った強情という感じがする。あまり綺羅綺羅しくせず、さっぱりとしている。なのにどうして、最後に突き落とされなきゃならぬのか。冷静な叙情? これが客観ということ?
理解できないとも思わないのに、また今日も感想が何も出てこない。
夢十夜で言ったら三夜がよいと思っています。一夜はさすがにそらぞらしからんや。似合わんのでないですか。
父にしたくない文豪ナンバーワンです。あ、個人のお気持ちです。ご親族とファンの方に陳謝。先生には謝罪しません。#冗談ですよ
0814
【読んだ!】ヴォネガット「タイタンの妖女」
一言一句、面白い。目をきらきらさせて頁をめくったあの日を思い出せるか。私の中の少年がこれを読んで、ときめいている。
どうやって書くのか見当もつかないが、全ての少年の為に書かれた本と出会った。「単時点的な意味において」ありがとう!
0815
【読みます】読書期最終日です。これを今日読もうと決めていました。
あなたの書棚にも、この本がありますか。
あるといいなと思います。読んでもらえたらいいなと思います。永遠不滅の魂が、刻まれています。ここで読めるという事実に思いを馳せて。八月、十五日。
言葉は、死なない。
【再読】きけわだつみのこえ
今日というこの日を私の国が迎えたことに対して。右も左もなく、ただもの思う文学者でありたい。
文学者であって詠み人ではないので、うまくはないですが、せめてもの祈りをこめて。
わたつみよ ただなりわたれ とこしえに
やまとのいのち いまにむすびて
#平和へ
ここまで読んでいただいて、どうもありがとうございます。
っていうか、お疲れ様です。何かいい本、ありましたか?
とりあえずどれから読めばいいか分からないけど、できればお金は出したくないなあ、という方は、無名作家の小説なんて読んでみるといいかもしれませんね?
金を欲してないとは言いませんけど、読んであげただけで喜びますよ。感想とかなくても、なんなら読まずにぺらぺらめくってやっただけで、読まれたと勘違いして喜びますから、人助けと思ってアクセスしてあげましょう。
個人的なおすすめは、こちらですね。
あまおう まあお著 名前泥棒
いやいや、これがなかなか好評でして、一部の方から「巧い」とか言われておるようですよ? 本当に巧いかどうか、確認だけでもしてみませんかね?
よろしくお願いいたしまーす☆
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