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オリジナル小説

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noteで公開している創作小説をまとめました。お手隙の際にお読みいだだけると、飛び跳ねて喜びます。
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#創作小説

ショートショート|鬱陶しい風邪薬

「大丈夫?」  睡眠不足と体調不良のダブルコンボ。  そんな状態でも仕事は休めず、ふらふ…

天音
7か月前
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ショートショート|オバケレインコート

 玄関。屈んで靴を履いていると、ちょいちょいと肩をつつかれた。  誰が……何がつついたか…

天音
7か月前
20

ショートショート|深煎り入学式

 ――芳醇な香り。  キッチンに立つ姉は、穏やかにコーヒーをドリップしている。その顔を盗…

天音
7か月前
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童話風創作小説 『だいたい赤ずきん』

 これは世間ではあまり知られていない、とある頭巾を被った女の子のお話。  *  昔々ある…

天音
9か月前
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【童話風小説】剛力少女と永遠の砂

 昔々のお話です。  いつかの時代の、どこかの国。  あるところに、とても力の強い女の子…

天音
2年前
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【創作短編小説】ぼこぼこの枕を捨てよう

 リア充爆発しろ。世界中の恋人滅べ。  ……なんてセリフを、まさか自分が唱えることになる…

天音
2年前
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【ショートショート】ポケット大増殖

 おやつの時間。ビスケットを振りながら、幼稚園で習った歌を妹がゴキゲンに歌っている。  歳の離れた妹はとても可愛い。今の歌だって、音程は全く安定していないし歌詞も曖昧だから何の歌かわからないが、将来は天才歌手に違いないと思っているほどだ。  こっちもつられて笑いながら眺めていると、妹がポケットにおやつのビスケットを入れだした。瞬間、何の歌か理解する。『ふしぎなポケット』だ。叩くとビスケットが増えるという、あれ。  妹はあれを試したいんだろう。ニコニコしながら叩こうとしてい

【SS】ご自由にどうぞ(note記事版)

文庫ページメーカーで投稿したこちらの小説の記事版です。 内容は同じですが、早速誤字を見つ…

天音
2年前
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【ショートショート】ご自由にどうぞ

こんにちは、天音です。 最近ショートショートの定義に「意外な結末」というものがあると知っ…

天音
2年前
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【掌編小説】 残金30円の足止め

 ピンポン。  残額30円。  カードをかざしてなお開かなかった改札と、その表示にギョッとす…

天音
2年前
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ミルクキャンディ、ポニーテール、ぽつり。

「最近どう? 順調?」  学校帰り。日の落ちかけた道で、彼女は白い息を吐きながら問うた。…

天音
2年前
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SS 『イチゴのタルト』

 赤いのがいい。  赤くて甘い、イチゴのタルトが食べたい。  同僚たちのあまりに不毛な会…

天音
2年前
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創作小説 『石占い』

 そこそこ有名な話なんだけど、うちのちかくの公園には神様がいる。  大きなクヌギの木が生…

天音
2年前
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創作小説『ガラスの少女』#4

#3の続きです。 ぬるい空気の廊下を歩いて教室に向かう。空腹が胃を蝕んでいる。次の授業は絶対にお腹が空くに違いない。  それでもなぜかトクトクと胸が高鳴っていたし、足取りは軽かった。  教室に戻ると、当然沙耶香と実里はお弁当を食べ終えていた。二人に何か言った方がいいかと思い足を向けようとした瞬間、彼女らが目配せをしたのに気づいた。  廊下を歩いていたのとは別の音を立てながら鼓動が速くなる。二人の方へ踏み出しかけた足は、結局自分の席の方に向けた。  背中に嫌な視線を感じる気が