ワーケーションに求められるのは、観光業や飲食・宿泊業のリスキリングだと思う
ワーケーション。ワーク×バケーション。
新しい働き方として注目されており、全国の自治体も新たな地域活性モデルとして力を入れています。
私もワークスタイル専門家として、知による地域活性を推進したい者として、かつ創作活動(もの書き)をする人間として、ワーケーションをもはやあたりまえの業務プロセスとして毎週のように実施しています。
(おかげさまで、ワーケーションの講演や取材依頼も増えてきました)
※このブログ記事も、御前崎市のワーケーションスポットで書いて投稿しました。ねっ、成果出しているでしょ(笑)
でもって、つくづく思うことがあります。
ワーケーションで集客しよう、地域活性しようと自治体がPRしている割に……
言うほど、ワーケーションに適したスポットや環境がまだまだ(全然)ない体感です。
ワーケーション客にとっての悪気ない不便(環境、動線、サービス)がまだまだ目立つ!
・10時で強制チェックアウト(延長オプションもない)
・コンセントがない
・ワークスペースが一般観光客と混在で煩い
・食事処の待ち時間(行列)が長い
・食事処の券売機、領収書発行機能がない
・部屋が寒い(暑い)
・ワーケーションツアー、観光やアクティビティ盛り込みすぎ
(仕事に集中できない。遊んでいると勘違いされそうで心外)
・ワーケーションツアー、食事が毎食重たすぎて胃が悲鳴(そして健康が心配)
……など(上記はほんの一例です)。このブログや新刊『新時代を生き抜く越境思考』でも提言含めてたっぷりじっくり書いていますので、よろしければ参照してください。
ワーケーションを謡っているにもかかわらず、このような悪気ない残念な対応を放置している地域・飲食宿泊施設に遭遇すると、なんとも切ない気持ちになります。
(おそらく、現場のスタッフの皆さんは「ワーケーション」なる言葉すら知らないのではと思うこともあります)
いままでの観光客やレジャー客相手のやり方だったら、それでも問題なかったのかもしれません。
しかし、ワーケーションで地域活性をする/関係人口を増やそうとする取り組みは、いわばビジネスモデル変革です。
これまでの観光客やレジャー客相手の、観光業や飲食宿泊業のあたりまえを見直し、設計しなおすくらいでないとうまくいかないのではないでしょうか?
変革とは、いままでの常識やあたりまえを疑い、仕事のやり方そのものを変える行為および生みの苦しみを伴います。
「いままでと同じやり方でイイ」
「変わらなくてイイ」
そんな甘い考えでは、ビジネスモデル変革はうまくいきません。
リスキリングという言葉があります。いままでの能力や考え方を改め、アップデートするための学習や育成行為を言います。
いま、ワーケーションの文脈で求められているのは、観光業や飲食・宿泊業のリスキリングではないでしょうか?
ワーケーションを謡う自治体や観光業や飲食・宿泊業の皆様におかれましては、是非とも現場のスタッフも含めたリスキリングを行って欲しいと切に願います。でないと、ワーケーションに適する環境やサービスを提供することは出来ないと考えます。
イチ利用者として、普段とは違う景色で必死に仕事の成果を出している/出したい者としても、ワーケーションしやすい場所が増えて欲しい。
ワーケーションが、仕事の成果を出すためのあたりまえのはたらく選択肢とそて、業務プロセスとして世の中に定着して欲しい。
本気でそう思い、強めの問題提起をする次第です。続きは新刊を通じてじっくり。
新刊『新時代を生き抜く越境思考』
~ワーケーションについてもじっくり語っています
新刊『どこでも成果を出す技術』
~テレワークやワーケーションで成果を出すための8つのスキルを徹底解説
変革のための越境学習プログラム『組織変革Lab』
~行政や旅行・観光業の皆様の参加もお待ちしています
個人向けオンラインコミュニティ『沢渡あまねマネジメントクラブ』
~書籍の質問やご相談にもお答えしています
書籍『業務デザインの発想法』
~ワーケーション客の動線を考慮した業務設計や店舗設計にも役立ちます!