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時の移ろい 季節の行事  

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地域の伝統行事や厚洋さんと一緒にやった季節の行事。 そして、移ろっていく美しい自然、愛しい人の愛した我が家の花達の代わりに語りたい
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2022年3月の記事一覧

三日見ぬ間の桜

三日見ぬ間の桜

「あはは!」って、笑ってしまうほど、桜がどっと咲いた。
 土曜の夜は、大嵐で全ての雨戸を閉めて、街頭の明かりも入らないようにして寝た。
 深夜番組を見たので、風の音と雨の叩きつける音を聴きながらの「生さだ」となった。
 全部見たら、起きられず日曜日にやる予定ができなくなるのは分かっていたが、投稿ハガキを出すと(読まれるのではないか。)嫌らしい根性が寝ないで見てしまわせる。
 うつらうつらしながら、

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桜がひとり

桜がひとり

 桜の花は突然現れる。毎日通っている道なのにも関わらず、
「こんなに美しい桜があったのだね。
 ごめん。気がつかなかったよ。」
って思う事がある。
 我が家の枝垂れ桜とソメイヨシノには、毎日
「もう少しだね。」
「今咲いたら、春の嵐で散っちゃうよ。
 もう少し、我慢してね。」
と話しかけてしまうので、その変化を見逃す事は少ないが、それでも「今年は去年より…。」と驚く事がある。
 桜の苗木を購入して

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蕾は膨らみ芽は天を指す

蕾は膨らみ芽は天を指す

 東日本大震災は、11年前の「桃始笑 ももはじめてさく」という七十二侯の頃に起きたのだ。
 花の固い蕾が少し開くことを「ほころぶ」というのも、緊張して強張っていた表情が笑顔になることも「ほころぶ」という。
 そんなところから、「笑」を「咲く」と読ませるようだ。
 悲しみのどん底に沈んだ心が、時の流れと人の温かさで、明るいキラキラ光る水面(みなも)に浮かび上がってくることを願いたい日でもある。
 愛

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雛祭りの後

雛祭りの後

「後の祭り」ということわざの解釈には、二つの考え方があるそうだ。
 一つは、「六日の菖蒲あやめ十日の菊」と同様に、比較的軽い意味で時機に遅れたたとえとするもの。
 五月五日は、端午の節句で「菖蒲」を飾る。九月九日は、重陽の節句で「菊」を浮かべる。
 いずれも1日遅れで用意をしても意味をなさないことの例えだ。
 現在でもこの意味でよく使われている。
 もう一つは、「死んだ後の祭」と同義とするもので、

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