ライフデザイン・カウンセリング入門
なぜ、ライフデザイン・カウンセリング?
自分の人生にたいして「本当に求めていたもの」に気づくと、人は変わります。”How can I be useful to you ?" から始まるライフデザイン・カウンセリングは、対話を通してそのお手伝いをします。
自分に仕事を合わせるって、どういうこと?
これまで、日本のキャリア・カウンセリングは、個人の職業特性(勤勉、発想が豊かなど)と職業特性(経理や営業など)を適合(マッチング)させることを重視し、「傾聴」の技法を使って展開してきました。
しかし、このやり方は流動化する雇用に影響を受けたクライエントに対応しきれなくなっていました。
仕事に自分を合わせる⇒自分に仕事を合わせる
そこでキャリア支援の領域では、企業や組織に安定を求めるのではなく、ひとり一人のアイデンティティに安定を築くことに焦点を当てた支援が注目されるようになりました。
ライフデザイン・カウンセリングはその中の一つです。
何が分かれば、それができるの?
次の質問に、自分なりの回答ができればキャリア支援の資源になります。
・あなたは、どういう人ですか。
・あなたは、どんなところにいると、自分らしく居ることができますか。
・あなたは、どんな人たちに囲まれているときに、自分らしく働けますか。
・あなたは、そこでどんな風に振る舞いますか。どんな風に働きますか。
・あなたの背中をおしてくれるものは何ですか。
・なぜ、あなたは、その仕事をするのでしょうか。
どこに注意すればいいの?
上記の内容にそのまま答えようとすると、仕事に自分を合わせようとしていた頃の自分が語り出してしまいます。ここが注意点です。
そこで、ライフデザイン・カウンセリングでは、上の内容を別の言い方で質問することで、社会的役割を担う前のあなたの声に耳を傾けるのです。
もう少し、詳しく知りたいのだけれど・・・。
今回紹介する本には、ライフデザイン・カウンセリングの実例が2つ収録されています。これらのセッションで扱われている内容は、上記のものなのですが、カウンセラーは巧みにクライエントから引き出しています。
さらに、面談後のクライエントの感想がついていますので、このアプローチを体験するとその人に何が起きるのかがわかります。
読みどころ満載でおなかがいっぱいになりますが、本書を読んで一緒にこの流れに乗りませんか。お薦めできる一冊です。
『ライフデザイン・カウンセリングの入門から実践へ-社会構成主義時代のキャリア・カウンセリング』
監 修:日本キャリア開発研究センター
編 者:水野修次郎、平木典子、小澤康司、国重浩一
発 行:遠見書房、2020年