6月26日「アイノチカラ」
人生何があるか分からないもので、ざっくり九年ぶりに「告白」なるものをした。仕事の時間や家族と過ごす時間以外の「ひとり時間」を二人で過ごすことを私から提案し、相手が了承しただけなので、付き合っているわけでもなく、互いの友人知人に「彼氏(彼女)です」と紹介することもなく。
私たち二人で仲睦まじくいるところを見られたら、「お付き合いしている二人だ」と見られるかもしれないけれど、歳を取ると、他人からどう見られるかをだんだん気にしなくなる。
別に冷めているわけではない。私は「大事な人」(と対外的に呼んでいる相手)を大変に愛おしいと思っている。
大事な人との新しい日々が始まると、いろんなことが変わった。一つ目は私の生活リズム。午前4時就寝が珍しくなかった私だが、遅くとも午前1時には寝るようになった。相手の生活リズムに合わせる為である。起きた時の「おはよう」と寝る前の「おやすみ」がズレていると、相手が心配する。そして私はフリーランスのライターだが、相手の仕事時間に合わせて仕事をすると、いっしょにいる時間を捻出しやすくなる。
私を夜型人間とみなしている友人知人は、最近の私が朝から近所の神社まで散歩していることをインスタグラムなどで知り、大なり小なり驚いている。私と午前中に鉢合わせたした人は特に。
睡眠導入剤(ゾルピデム)も一切服用しなくなったのも変化の一つ。服用しても服用しなくても大して差がないことに私は薄々気づいていたが、大事な人からの「別に飲まなくてもいいなら…」的な一言がトドメになった感はある。寝る前はアルプラゾラムだけ口に放り込んでいる。もちろん睡眠導入剤を飲むか飲まないかは担当医と相談すべき事案であり、大事な人は何も薬をすべて否定しているわけではないことを書き添えておく。
変化はまだある。私が抱いてきた希死念慮の大幅な低減、である。希死念慮の話をすると、「私も消えたいと思っていたことがあるけど、それは許されないことだよ。人はこの世に学びに来ていて、楽しみに来ているんだよ」と(若干スピ入っている)大事な人は返してきた。本当にしんどい人には響かないかもしれないが、とりあえず今の私には響いた。「この人と生きてみよう」と。
一応、大事な人の名誉の為に言っておくが、何かしらの宗教にはまっているわけでも、私に壺を売ってくるわけでもない。
さて、生活リズムが朝型になりつつある私だが、睡眠時間は以前より減っている。ざっくり5時間寝て、二度寝できたら御の字といったところ。睡眠の質が一日のパフォーマンスや気分に直結する私にはなかなかつらいところ。だからといって朝からゾルピデムを割って飲んでまた寝るのもバカらしいので、今日も7時に起きて、1時間ほど散歩していた。
今日は大事な人と会う日だった。車でピックアップしてもらったが、今までの私だったら、この睡眠の質で車に乗って出かけるのはちょっとした事件。しかしアルプラゾラムと大事な人がそばにいる安心感で、大事な人に「今日はありがとう。夜メールするね」と言って別行動になってからも、いろんな場所に行き、いろんな人に会ったが、特に何ともなかった。
私はそれほど眠れなくても大丈夫なのかもしれない。
とりあえず、今日もゾルピデムは飲まない。