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永遠のテーマ、「患者さんの満足度向上」をどう実現する??


病院・施設における患者(利用者)さんの満足度をどう向上させるか、というのは施設運営において切っても切り離せない要素であるが、なかなか改善の決定打を出せずにズルズルときてしまっている所も多いのではなかろうか?


こんにちは、ALTURAの鯨岡エーイチです。

▼プロフィール
鯨岡栄一郎  (Twitter: @anicoach
2021年1月 ALTURA Inc. オンライン事業部にジョイン
(株)メディケアソリューション代表取締役  理学療法士 コーチ  
老健施設長を4年経験  書籍「認知症コーチング」など3冊執筆


地域で拡散される口コミ

特に訪問リハビリで行くと、「あそこのクリニックの受付さんは、本当に感じが良いのよ〜」「あのデイの送迎で添乗してくるスタッフの〇〇さんから、こんな嫌味言われたのよ」「あそこに入院した時の看護師は本当にひどかった」などと、まさに口コミの渦中に出くわす...汗 そして、この調子でご家族は良くも悪くも、知り合いにはすぐに言ってしまうし、苦情めいたことは、すぐケアマネさんにお伝えする。すると、地域での評判なんてものは、かなり瞬時に確立されてしまう。これは本当にものの見事で・・


また、昨今我々の行動様式の中で、今どこかに行こうとすれば必ずGoogleマップで検索するが、すると関連した写真とともに、「クチコミ」が掲載されている。これを見ると、医療機関なんて酷い有様で。☆1つ2つなんてザラ。「手術を受けたが、あそこはヤブ医者だ!」「〇〇棟にいた看護師の対応に悲しくなりました」などと書き込まれ、ずっと掲示されている。それを検索者がみんなが見るのである。おそらくは、そこで入院や受診した際、何らかの不満を抱き、やり場のない不満をそこにぶつけているのだろう。(もしや、病院関係者は、あまりこの事実を認識していない?!)


随分前から、「皆様からの声」と題し、投書箱を設けて、患者やご家族の意見や担当者からの返答を掲示している所もよく見るようになった。ただそれも単なる形式化されてしまっては、せっかくの取り組みも逆効果になってしまう。


病院機能評価事業などの影響もあり、自施設での評価結果をホームページ上でアピールの一環として開示しているところも多く、これは地域での差別化・ブランディングに繋がり、ユーザーにとっても喜ぶべきことだろう。


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具体的にどう改善する?


代表的なクレームとしては、待ち時間や駐車場の問題と、医師・スタッフの対応、ホスピタリティの問題に大別されるか。

では、具体的にどう改善させるのか。利用者の多くはそんなにハードルの高いことを求めている訳ではなく、ちょっとした親身な対応、笑顔、気づかい、声かけなどによって、むしろすぐに高評価に転じるものなのである。

実際、「先生が血圧は大丈夫ですよ、と言ってくれた」「看護師さんがにこやかに対応してくれてホッとした」、この程度のことで「あそこは良い病院よ」と利用者さんは話されているのである。


むしろ課題は、忙しい現場において、幹部がコミットを持ってスタッフにそのマインドを仕組み化しながら浸透させることの難しさだろうか。



新しい考え方「PX」とは


ところで、最近になり、PX ( Patient eXperience:患者体験価値 )という考え方が注目されつつある。それを調べることを患者経験価値調査(PXサーベイ)と呼ぶ。


PXサーベイは、患者が実際にどのような場面で何を「経験」したのかという事実を重視し、患者にとって必要な医療サービスが提供されているのかを確認して改善活動につなげることを目的とするものである。(日経XTECH)


※さらに詳しくは、こちらの記事を参照!↓


これまでも「患者満足度」の調査は行われていただろうが、それはいわば「結果」に着目していたがゆえに、なかなか本質的な改善に繋がらなかったのではないか。一方でPXは「プロセス」にフォーカスしており、スタッフの日々の関わりや頑張りを具体的に承認することに繋がっていく。


そこに着目していくことは、スタッフ満足度を上げるためのEX(従業員満足度)にフォーカスすることに他ならない。そしてその集合体が、結果経営にもインパクトを与えることは想像に難くない。



「あそこはやっぱり違うね」と地域で選ばれ、生き残っていく事業体となるためにも、そして人材の安定定着を目指すためにも、着目すべき点はもう次のフェイズに移っているのかもしれない。

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