正しい関係性の中で頑張る
この夏の出来事。
いつもお世話になってる制作会社の社長さんから電話があって。
時は金曜日。
その社長さんに代理店の担当者から連絡が。
「急で申し訳ないんだけど助けてくれませんか」
何でもこの週末に
いくつか急に対応しないといけない案件が出来たらしく
担当者が社長さんに泣きついてきたそうです。
でもあいにく週末は
どうしても社長さんとその会社が動けなくて
その社長さんから僕に稼働可能かどうかの打診があったのです。笑
受ける方の立場を考えて
あまりそういう依頼の仕方をしない社長さんが
そんな形で僕に相談してくるというのは
かなりイレギュラーなことなんです。
僕のその週末の予定なんて
取るに足らないプライベートなものしかなかったので
「僕でお役に立てるなら」
「僕のできる範囲のことなら」
と二つ返事で引き受けたんですが、
この急な案件を持ち込んだ代理店の担当者はもちろん
普段からその社長さんとお付き合いがあって
お互いに助け合ってきた関係性なんだと思うんですね。
一貫した基本的なスタンスとして
「お客様に喜んでもらうために頑張る」という丁稚精神に溢れながらも
舐められた仕事は決して受けないし、
社員を守るという気概は持ってる社長さんなので、
この社長をみんな頼ってくるんですよね。
そしてその案件の中から僕に向いてそうな仕事は振ってくれるし。笑
ならば僕も少々都合の調整が必要でも
「困ってるなら可能な限りやりますよ」となるわけです。笑
このイレギュラーな発注も僕と社長さんの間に
既に構築済みの信頼やリスペクトがあるから成立する受注行程なわけです。
僕がいつも期待に応えた成果物を提供してきたという実績や
僕が仕事がなくなって苦しかった時に
すぐに仕事を回してくれるように算段してくれたりという
とても深い恩義や感謝も僕は持っていて。
僕らの世界は
「クライアントの喜ぶものを提供する」という基本使命があって。
そしてその中で発注があって納品があって。
それは「安く済ませて適当なものを納めとけばいいや」とか、
「作ることに金をかけずに済ませておけば儲かるし」とか、
「デザイナーやライターなんて変わりはいくらでもいるんだし便利に使って使い捨てしとけばいい」とかで流れる仕事では決してなくてね。
その中で生まれる信用はこうやって育まれると思うし
仕事を運ぶ上での繋がりを強くし
ひいてはクライアントの満足に到達するために必要なものも
こういう助け合いの中で生まれるものだと思うんですよね。
その担当者もこれでまた社長さんを頼ることに繋がるだろうし、
僕もまたお役に立てることが増える可能性に繋がるわけでね。^_^
クリエイターである限り、
自分のアイデンティティを堅持したいという気持ちはもちろん理解します。
それでも、デザイナーというクリエイターは
「人のために」という導線と原動力はマストなんだと思うのです。
「人に喜んでもらう」ために自らのセンスや力量でクリエイトする。
それこそが僕らの真っ当な生きる道だと思うのですね。
それはクライアントだけに向けられた導線ではありません。
質の高い成果物をクライアントに提供するために
制作行程に関係するすべての人の間には
相互の信頼やリスペクトや感謝が横たわっている必要があるのではないかと信じるのですよね。
まあつまりは、再度言いますが、
お仕事っていうのはこういうことなんだと思うんですよね。笑
「正しい関係性の中で頑張る」ということが大切なんだと。
目の前の「気持ちに応えたい人のために頑張る」ことがね。
「正しい関係性の中で頑張る」ことが出来ることにも感謝して
また頑張ろうと思うのです。
これからも。w