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翻訳するディスタンシングって?

京都市東山区にあるHAPS事務所一階ギャラリーを拠点として行われるALLNIGHT HAPS。2020年度は佃 七緒によるプロジェクト、「翻訳するディスタンシング」を、アートと翻訳をテーマに展開します。

公募で選ばれたアーティスト数名の、制作・作品にまつわるテキストを、協力者と共に母国語から別の言語へと翻訳を試みます。またそのプロセスを経たアーティストによる展覧会シリーズを2021年1月から3月にかけて開催予定。

ALLNIGHT HAPS 2020「翻訳するディスタンシング」
特設サイト:https://allnighthaps2020.o0o0.jp/
プロジェクト期間:
2020年7月~12月(翻訳のための対話)
2021年1月~3月(HAPSギャラリー展示)
企画:佃 七緒
出展者:募集中(詳しくは募集要項をご覧ください。)
展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催:一般社団法人HAPS
支援:2020年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団/アーツサポート関西

「翻訳するディスタンシング」について

「翻訳」は、人と人とが接触し、呼びかける/呼びかけられる際に生じ、何かが伝わったり伝わらなかったりする状況や関係性そのものを表出させる。他者と違うことで見えてくる「自分」や、外と違うことで見えてくる「内」は、実際にはその分け方ほど固定化されたものではなく、関与する様々な関係性が変化するとともに変化する。

ウイルスによる影響下で、「物理的に距離を取り合うこと」を「ソーシャル・ディスタンス」等と表現した状況は、これまで意識していなかった人との「距離」や「距離をとる」ということ自体に強い意識を向けさせる。社会は、その「距離」に目を強く向ける状況に徐々に適応し、変化し続けながらまた時間が過ぎていく。

本企画では、「翻訳する」ことで、異なる言葉や文化、環境、自他の間の「距離や関係が変化し続ける」ことに目を向ける機会を作家に提供し、それを作品制作にどう関わらせるのか、また関わらせないのかを見たい。

テキストの翻訳は、可能な限り、美術や翻訳を専門としない協力者と作家とのやりとりを通じて行う。そこで生じる「距離」は、協力者の「制作者ではない視点」を含みながら変化を続ける。その「互いの距離や関係が変化する」プロセスを丁寧に追いかけることで、作品を制作すること、鑑賞することの土台づくりの一助となればと思う。 (企画者:佃 七緒)

公募について

2020年6/1-6/21まで、参加アーティスト募集中。
詳細はこちら(HAPSウェブサイト)


ALLNIGHT HAPS

若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズ。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧できる。
過去年度のアーカイブはこちら


一般社団法人HAPS

若いアーティストたちが京都のまちなかに居住し、活動し続けることができる環境を整え、彼らの新しい創作の活力をまちの活力につなげていくことを目指し、2011年9月に東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)実行委員会を設立。2019年4月に事務局を一般社団法人化。町家を改修した事務所の1階は、ギャラリーとして公開可能なスペースや、各種トークイベントやワークショップなどを開催できる貸しスペースも備える。
http://haps-kyoto.com/


企画者について

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佃 七緒(つくだ ななお) 美術作家。京都・大阪にて活動。
それぞれの土地に住まう人々の、日々の生活を構成する道具・家具・住居などの住環境や、その中での営みの情報を取り入れ、ドローイングや、日常でなじみのある素材を用いての立体および空間制作を行う。
2019飛鳥アートヴィレッジ参加・2018シドニーArtspaceで滞在制作(京都芸術センターエクスチェンジプログラム)
nanaotsukuda.com

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