[人事のプロが教える]ビジネスの場面で役立つ、小さい頃にやっておくべき経験①
今回は3部作として、私が小さい頃にやっていて、現在、ビジネスの場面で、その経験が役立っていること、3つを紹介したいと思います。
①将棋
②そろばん
③バスケットボール
今回は、①将棋についてです。
私には、7つ離れた兄がおり、その兄がただ将棋をしたくて、対戦相手を欲しかったためだけに、5歳の私に、無理矢理将棋を覚えさせました。
全ての駒がどう動くか、それを覚えるだけでも5歳児にとっては、大変です。
ご存知の方もいると思いますが、桂馬の動き方はかなり特殊です。5歳児にとっては、桂馬はどうして他と違って、あんな不思議な動き方をするのか、疑問でしかありませんでした。
兄には、「わからないよー」と言って、よく泣いて、逃げようと何度も試みましたが、厳しい兄の指導のもと、それは許されず、最終的には全ての駒の動かし方を覚えるに至りました。
その後は、日々の兄との勝負や、NHKの日曜日の将棋番組を見ることで、何となく将棋を覚えていきましたが、やはり、定石を知らないため、兄には勝てませんでした。そこで、偶然にも家から自転車で20分くらいのところに、プロ棋士が教えてくれる将棋教室があったため、小学校1年生になった7歳から通い始めました。
そこから私の実力は一気に上がり、兄と二人で参加したアマチュア大会で、7歳ながらにして準優勝するといった自慢すべき結果を残すことができました。
さて、今日の記事では、私の幼き頃の自慢話をしたい訳ではなく、どうして、将棋が今の私に役立っているか、その繋がりを紹介します。
ご存知のとおり、将棋は相手が打つ1手先、2手先と、未来を予測して、考えていくゲームです。そして、その先を読む時には、必ず場合分けが発生します。相手がどこに何を打つのか、そうしたら、私はどこに何を打つのが良いのか、そしたら、相手は次に何をどこに打つのか。といったことを、最初から最後まで考えながら進めていくゲームになります。そのため、とても頭を使います。
この「先を読む力」と、「あらゆる場面を想定する・考える力」は、ビジネスの場面でも、相当役に立つ力だと私は思っています。
「先を読む力」がなければ、仕事におけるあらゆるプランニング(計画)はできません。お客様との会話、資料の作成、会議の進行等、ビジネスの場面では、先を読んで、行動をしていきます。行き当たりばったりの行動では、仕事になりません。
「あらゆる場面を想定する・考える力」についてですが、ビジネスの場面では、「決まった正解」はありません。決まった正解があれば、誰しもビジネスを成功させることができます。現実ではそのようなことはありません。誰しもが決まった正解がわからない中で、あらゆる判断・決断をしています。こうした環境において、「あらゆる場面を想定できる力」というのは、大変有効なスキルです。正解がないからこそ、色々な想定をしなければなりません。
「先を読む力」と似ていますが、「あらゆる場面を想定する」というのは、「先を読む力」を前提とした上で、「場面」を考えていくことになります。
具体的な例を見てみましょう。
「上司に私の企画書を説明した後、上司はどのような反応をするだろう?」
まず、こう考えるのが「先を読む力」になります。
次に、
「上司は、私に、市場調査をしたのか?と聞くかもしれない。」
「上司は、私に、他社の動向を聞くかもしれない」
といったようなことが、「あらゆる場面を想定する力」になります
既に社会人に方は、日々、正解のない世界で働かれているため、無意識のうちに、この働き方、考え方が身についているはずです。
一方で、これから社会人になる方については、多くの場合、「決まった正解」がある世界で生きている可能性が高いです。仮にそうでなくても、Google検索した結果が正解と思い、生活していないでしょうか?
ビジネスの世界では、Google検索しても、答えは出てきません。答えは自分たちで創り上げていきます。
そのために、この2つの力を社会人になる前から身につけておくと、かなり仕事がやりやすくなるのではないかと私は思います。
なお、同じボードゲームでオセロや囲碁もありますが、将棋は、駒を取って、またそれを好きなところに打つことができるため、他のゲームと比べて、かなり選択肢の幅が広いゲームとなります。それもあって、私は将棋をオススメします。
今日の記事が、皆さんの何かの参考になれば幸いです。