『憧頂』
また今日もオーディションに落ちた。
これで何十回目だろう。でも、悲しさはない。
それを引き摺っても何にもならないから。
やるべきことは、やってきた。
だけど足りていないから、落ちるのだ。
こんな時はいつも、展望台に来る。
夜空を見上げ、決して届かない星を睨み、
頂点を目指す心が変わってないか、確認する。
服と空気を纏い、世界中のショーを歩くんだ。
目を閉じて、一息つく。明日からも頑張ろう。
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