『憧飛』

生まれた時から、私は見上げてばかりいる。

「花」という使命を受けたにも関わらず、

気にも止められない。プレゼントにもならない。

いつも地面に根を張って、凛と胸を張るだけ。

踏まれても、猫に茶化されてもめげない。

見守ってくれる太陽がいるから、生きている。

いつか、貴方の近くに行きたい。

募る想いは、綿毛になって飛んでいく。

それでも届かず、また地面から見上げる。

永遠に叶わぬこの想い。


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