『破企』
なんだなんだ、今度の客は酷く酔ってるなぁ。
酒臭く呂律も回ってない。運転手も愛想笑い。
まぁ、これがタクシーの運命だよな。
目的地に着き、眠っていた客は起こされた。
それが気に入らなかったのか、支払いをせず
降りようとする。おいおい、いい加減にしろ。
仕方ない。体を張るか。いや、破るかな。
「うわっ、何だこれ。シートが破れて尻が
はまった。運転手、助けてくれよぉ」
「助けますが、その前にお支払いですよね?」
#10行 #ショートストーリー #ショートショート #短編 #短編小説 #小説 #詩 #現代詩 #タクシー #酔っ払い #酩酊 #客 #運転手 #シート #支払い #酒 #呂律 #尻 #はまる #破る #破企 #超短編 #スキしてみて