『逃眠』
握りしめた札束はぐちゃぐちゃだが仕方ない。
今はとにかく走る。路地に入り、札束をしまい
息を整えていく。コンビニ強盗が完了した。
ひったくりや泥棒もする。逃げ続ける人生だ。
ふと暗がりから、自分じゃない荒い息がした。
弱ったホームレスだ。「おい、大丈夫か?」
瞬間、押し倒され、左胸が熱くなる。刺された。
「へへっ。世の中、同情したら終わりなんだよ」
札束を奪って走り去る男。穏やかに見守る星空。
「これで逃げるのも終わりだ」静かに眠ろう。
#10行 #ショートストーリー #ショートショート #超短編 #短編 #短編小説 #小説 #詩 #現代詩 #スキしてみて #札束 #コンビニ #強盗 #路地 #息 #ひったくり #泥棒 #逃げる #人生 #ホームレス #刺される #殺人 #世の中 #同情 #終わり #見守る #星空 #眠る #逃眠