『墜感』

これから、久しぶりに彼に会える。

でも、心が浮き足立たない。嫌な予感がする。

少し痩せながらも、変わらず微笑んでいる。

いつも通りに、手を繋ごうとしたとき、

彼はポケットに入れた。行き場のない私の手。

多分、偶然じゃない。きっと今日はそんな日。

その後も、触れるタイミングを彼は避ける。

会わなくなる前から、勘づいていたこと。

彼は他に好きな子が出来た。その子のために、

私はフラれる。早く言って。早く楽にして。


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