【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第三十五話 互いの鏡。いい加減。嫁に行ったら?!
前話
「リアナ、あなたが会うべき人がいます。私と反対側にいるグレートファーザー、です」
「誰ですか? 今更会わないといけないって」
リアナは不機嫌だった。殊の外夕食作りに手間取って、リアナはまた欠食児童となり、またセイランとセレス、シルヴァリアもリアナを放り出したからだ。あれは、二人の友情に配慮して消えたのだが、リアナにはそれがお気にしめさなかったようだ。フィオナまで一緒に不機嫌だ。いつも一緒の恋人がいなくて同じように不機嫌なのだ。
「リアナとフィオナはお互いに鏡なのですね」
「鏡?」
フィオナとリアナは顔を見あわす。
「いつも相手に憧れていませんでしたか?」
オリヴィアの言葉に二人とも顔色を変える。
「お互いがお互いのシャドウ、という事ですか?」
「シャドウ?」
今度は、フィオナの言葉にセイランとマルコが聞き返す。
「影という意味合いよ。私とリアナがお互いの鏡なら、そう言う関係性だわ」
「影は普通、自分の嫌な面を表します。ですけれど、あなた達を見ているとそうとも取れますね。フィオナ。あなたはその知識をどこから?」
「はっきりとした知識ではないですけど。母からいろいろ聞いています。みだりに人のは話してはいけないと言われて。でも、グレートマザーもグレートファーザーも名前を聞いたことがあります。グレートファーザーは権威、規律、厳しさを持っていると。グレートマザーは慈愛、優しさ、愛情を示しますが、負の面として過保護、自分の領域に巻き込む、縛り上げてしまうと……」
「あんた。それをもっと早く言いなさいよ」
リアナがフィオナに声を上げる。
「だって。お母さんからよほどのことがない限り話しちゃいけなかったのだもの。それが今度はグレートファーザーよ。言いたくもなるわ」
フィオナがまずらしくリアナのように主張する。マルコは驚くようにフィオナを見る。
「ああ。私のフィオナがリアナになった……」
「マルコ。あなたの前ではいつものフィオナよ」
にっこり笑って言われてもこれが本来のフィオナと知るとそれも怪しい。
「じゃ、王子様。フィオナと別れるの?」
マルコの迷いをつくかのようにリアナが言う、。
「いや。私の運命の相手はフィオナしかいない。どんなフィオナでも愛している」
歯の浮く台詞をまた言うマルコである。愛してるなんて、とリアナは言いたい。自分達はただ、好き合っているだけだ。そんな深いものはない。
「いいんですよ。リアナ。恋愛の最初はそんなものです。マルコ達が早熟なだけです」
「早熟とは……。私はもうそろそろ十九歳の成人ですよ。成人の式を去年に終わらせました」
「フィオナは私と一緒で十六歳よ。随分と進んでいるのね」
リアナが嫌味っぽく言う。半ばからかっているのだ。それぐらいはわかる一同である。そんなからかいができるリアナをフィオナはうらやましいと思う。そんなフィオナにオリヴィアは言う。
「フィオナ、あなたは自分を探しなさい。すぐそこにあって解らない物が自我です。自分の自我を探して見つけるのがあなたの試練です。リアナとセイランにはまたきっと試練が待ちうけていいるでしょう。その間に探しなさい。本当の自分がどんな人間か。リアナにもこれは自然と課せられている事です。リアナはグレートファーザー、エルモスに会えばきっと自然に次の試練がわかるはずです」
えー、と文句たらたらの様子のリアナである。
「文句言うな。俺が手伝ってやるから。まぁ。今回の様に、リアナしかわからない事かもしれんが。でも俺達はリアナの家族だ」
「おや。私も仲間に入れてくれるのかい?」
「十把一絡げに、な」
「ひどい扱いだ」
今度はマルコが文句を言う。おかげで食事が進まない。
オリヴィアが注意を引きつける。
「夕食が冷めます。早い内に食べて明日への英気を養いなさい」
「はぁい」
大人になりきれない少年少女達はようやく食事に手をつけ始めたのだった。
あとがき
執筆の再確認に前話を確認すると誤字発見。張り直しに来たら、あとがきがないー。慌てて書いてます。でも、一度掲載されたら追加分。題名に入れないとわからない。まぁ、これから読んで頂けたらこのあとがきも読んで頂けるので、改めて入れてます。
眠い。朝活眠い。なかなか野球が終わらず、結局ずるずるといろいろしてました。一応、パソコンは終了してましたが、ベッドに入っても目がさえる。結局眠ったのは23時過ぎ。一字もああだこうだとしてました。
起きるのは苦にならないけれど、途中で眠くなる。かと言ってパワーナップは無理だった。一度、パワーナップを試みたけれど結局話が気になる。で、戻ってきて今、こういう状態でした。と書き置いて逃げる!待て次号!