【詩】おばあちゃんがくれた休暇
異国で受けたおばあちゃんの訃報
現実を見るまでは気持ちの整理がつかず
四十九日の本葬に帰国して
ようやく気持ちが落ち着いていった
ずっと帰りたかった家にも帰れず
たった一人で夜中に旅立った
そんな最期をどんな気持ちで迎えたのか
考えれば考えるほど胸が張り裂けそうになる
東京の休暇の最終日は冷たい雨
思いがけず里帰りできて
懐かしく温かい人たちに会い
アメリカでの緊張が溶けていくかのよう
私はだんだん
アメリカに帰るのが憂鬱になった
たくさんの思い出が詰まった
実家のベッドで寝て
家族や友人の愛情に触れ
わざわざアメリカで頑張らなくても
いいんじゃないかという気にもなって
荷造りの手も進まない
おばあちゃんが残してくれた
優しさ
思い出
東京の休暇…
おばあちゃんが作ってくれた料理を褒めれば
いつもいつもその料理が出てきたこと
買ってくれたお菓子を「おいしいね」と言えば
次の日には2つも3つも買ってきてくれたこと
寒い日には家の中で杖をついて
玄関までカイロを持ってきてくれたこと…
小さい頃は
おばあちゃんが帰ってしまう日には
悲しすぎて涙をこらえて耐えていたこと…
たくさんたくさんかわいがってくれたこと
忘れずに生きていこう
東京の休暇で私はホームシックになった
どこで暮らしても私の故郷はここなのだと実感した
でもおばあちゃん
いつも胸を張って故郷に帰れるよう
私は自分が決めたところで頑張っていきます
©2023 alice hanasaki
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