500mm単焦点レンズとNikon Z9で撮る理由
こんにちはAliceです♪
今まで野鳥撮影についての記事は書いて来ませんでしたが、季節ごとの旬に合わせて、集中して撮影しています。
今回、【AF-S Nikkor500mm F/4E FL ED VR】(以下ゴーヨン)をNikon Z9と組み合わせて撮影したところ、野鳥撮影に関して過去最高の手ごたえを感じたので、この機材の組み合わせについて(写真多めで)書いてみることにしました。
①機材について
まず、Zマウントにゴーヨンはありませんので、FマウントEタイプのゴーヨンにFTZⅡアダプターを噛ませてZ9で使用しています。
Gタイプレンズですと一部機能に制限がありますが、Eタイプであれば把握している限り制限はありません。
よって、鳥認識AFもしっかり効きます。
以前からZ9に動物認識はありましたが、最新のファームウェア・アップデートで鳥認識が追加されたのは朗報でした。
静止画・動画問わずAFポイントが常時瞳を追いかけてくれます。
この写真のように、瞳が奥にあり、手前の躰にピントを持って行かれそうなシチュエーションでもちゃんと瞳にAFポイントが移動してくれます。
最新のSONY機の被写体認識と較べると遅れがちだったNikonも、ファームウェア・アップデートで進化し続けています。
Z9で良かった、と思う瞬間です。
②野鳥について
自宅の近所に、カワセミが棲んでおり、冬になると毎年ルリビタキやジョウビタキが訪れる大きな自然公園があります。
いつもザハトラーやジッツォなどの大型三脚に600mm F4などを据えた方々がおり、お目当ての野鳥が出て来ているか目安になります。
陽当たりが悪い場所も多いので、好条件の場所でカワセミの飛び込みが撮影出来ることはレアですが、この公園に来れば大抵はカワセミに会う事が出来るので、長年通っています。
練習すれば誰でもこれくらいは撮れるようになると思いますが、シャッタースピード1/4000secは欲しいシチュエーションです。
よって、ISO高感度性能も求められます。
高ISOを嫌い、妥協して1/3200sec・1/2500secとシャッタースピードを落とすと、等倍で拡大した時に微妙にブレており没になります。
③AIテクノロジーの脅威
こちらは水面のリフレクションが欠けており、本来没写真ですが、載せた理由があります。
これは、油断してファインダーから目を離している隙にカワセミが小魚を咥えたまま飛んだ瞬間なのです。
ファインダーも、液晶モニターも見れずにシャッターを切ったのです!
それでもAFがカワセミに追従し、ピントが合っていた事に驚愕しました!
Z9には、AIが被写体のモーションを検出しシャッターを切る【オートキャプチャー】が実装されていますが、AIがずっとシャッターチャンスを監視してくれる訳ですから、油断したり疲れたりする人間より間違いないですよね…。
被写体認識・AIテクノロジーの脅威を体感した1枚として、載せました。
④500mmという焦点距離について
野鳥は小さい被写体ですので、本来600mm以上・800mmや、更にテレコンバーターを噛ませて1,000mm超などと、とんでもない焦点距離も多用されている環境です。
Z9はDXクロップ(いわゆるAPS-Cモード)で1.5倍の750mmに拡大しても、約2,000万画素で撮影出来ますが、やはり野鳥のような繊細な被写体は高画素で撮りたいものです。
正直なところ、野鳥撮影で500mmは物足りない焦点距離だと思います。
ですが、私は500mm F4(ゴーヨン)を選択しました。
⑤何故、500mm F4なのか?
理由は3つあります。
1.サイズが都合良い
ゴーヨンだと、航空機で国内線持ち込み可能サイズ(55cm×40cm×25cm以内・3辺の合計が115cm以内かつ10kg以内)のカメラバッグの選択肢が多くなります。
600mm F4(ロクヨン)が収まるカメラバッグは、長辺55cm以下の商品がまず無いと思います。
また、ロクヨンとカメラボディを収めた大型のバッグの総重量を10kg以下に収めるのは困難でしょう。
バッグだけで5kg以上ありますので…。
よって、ロクヨンだと国内線機内持ち込みが基本不可になります。
高価な精密機器を手荷物預け入れはリスキーだと思うので、私の場合ロクヨンを持って飛行機には乗れなくなる訳です。
400mm F2.8(ヨンニッパ)も似た理由で、レンズフードの口径が大きいため、フードを逆付けして収まる内寸を持つカメラバッグが非常に限られます。
国内線機内持ち込みのサイズは、遠征するカメラマンには辛いですね。
LCCだと重量の制限がより厳しくなります…。
そこでゴーヨンにスポットライトが当たります。
ゴーヨンとロクヨンは開放F値は同じF4で、一見は焦点距離100mmの違いだけに思えます。
ですがNikkorレンズのEタイプ同士で比較すると、
ロクヨン3,810g
ゴーヨン3,090g
と720gも軽量です。
尚且つ、ゴーヨンなら国内線機内持ち込み可能サイズのカメラバッグが多数あるのです。
そのサイズのバッグだと、バッグ単体で3kg前後のものも多く、機材込みの総重量も10kg以下に収めることが可能です。
ゴーヨンは【プアマンズ・ロクヨン】ではなく、カメラバッグに機材を収めて航空機で飛び回るフォトグラファー向けのレンズなのです!
※最新のロクヨンやヨンニッパは、何と3kgを切る脅威の軽量化を達成していますが、誰もが200万円級のレンズを買える訳ではありません。
2.競馬撮影でも撮りやすい
個人的に、競馬撮影における標準焦点距離は300mmだと考えます。
135mm以下→広角
200mm→準広角
300mm→標準
400mm→中望遠
500mm→望遠
600mm以上→超望遠
300mmが正解とかそういう事では無く、標準(ある意味普通に写る)の焦点距離が300mmという認識です。
そして600mm、超望遠の領域まで焦点距離を伸ばすと、当然ですが視野が狭くなります。
『この馬を撮りたい!』『このジョッキーを撮りたい』などと狙いが事前に確定している場合は、600mm以上の超望遠でも全く問題ないと思います。
むしろ、余計なものに気を取らないで済み、『推しだけ』にクローズアップ出来るので、適していると思います。
ですが、推し馬・推しメンが居る訳ではなく、単にレースの『勝ち馬を撮りたい』という方には、視野が狭すぎるため、撮り間違えるリスクが高くなります。
そこで再び、500mmにスポットライトが当たります。
300mmでは、切り取る世界観が標準的過ぎてもっと被写体に寄りたくなり、600mm以上の超望遠レンズを導入してみたものの、視野が狭すぎて難しい!という方が『1歩引いてみる』焦点距離が500mmだと私は考えます。
500mmあれば、野鳥のように遠くて小さな被写体でもソコソコ撮れて、尚且つ肝心のターゲットを取り逃がすリスクが軽減出来る、バランスの良い落とし所だと思います。
以上の理由から、私は500mm F4を選択しました。
4,571万画素もある高画素機のZ9で撮影するには、ほんの僅かなブレも許容しないシビアさはあるものの、トリミング耐性は抜群ですし、ボディとレンズの重量バランスも非常に素晴らしく、長時間構えても疲労が少ないです。
以前記事にしたサンニッパ(AF-S Nikkor300mm F/2.8G ED VRⅡ)と共に、2024年の撮影で大活躍して貰います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお会い出来ますように。
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